自作PCで、他の人はどんなグラフィックボードを選んでいるのか、重要視している仕様は何なのかなど気になったことがあると思います。
そこで、私が開発・運営している『自作PCパーツの見積もり・互換性チェックツール』で選ばれたパーツを元に様々な観点で集計してみました。
グラフィックボードの人気ランキングや価格帯、メーカ―やその他の仕様や機能別の選ばれる割合などをグラフでまとめているので、グラフィックボードに関して全体像を把握するのには参考になると思います。
グラフィックボード以外にも、他のPCパーツや自作PC全体の分析もしているので参考にしてみてください。
・データは自作PCツールの情報を元にしています。
・データ期間:2024/5/9~08/09まで(約3か月間)
・データ件数:約5,000件
・グラフの縦軸はユーザーに選ばれた割合(選択率)
・グラフの見やすさの関係で、ボリュームゾーンを中心に表示しているので合計100%にならない場合があります。
PCパーツと通販サイトを選ぶだけで、見積もり、互換性チェック、電源容量計算ができるツールも開発したのでぜひ活用してください。 最大5つの構成を保存できるので色々な構成を試せます。
≫ ツール:自作PCパーツの見積もり・互換性チェックツール
グラフィックボードの基本的なデータ
まずは、人気ランキングやメーカー、価格帯など一番気になるところを紹介していきます。
グラフィックボードの人気ランキング
1 | 玄人志向 GALAKURO GAMING GG-RTX4060Ti-E8GB/OC/DF | |
2.8% | ||
2 | ASUS DUAL-RTX4070S-O12G-EVO | |
2.8% | ||
3 | ASUS DUAL-RTX4060-O8G-EVO | |
2.5% | ||
4 | ASUS DUAL-RTX4060TI-O8G-EVO | |
2.4% | ||
5 | MSI GeForce RTX 4060 VENTUS 2X BLACK 8G OC | |
2% | ||
6 | PNY GeForce RTX 4070 SUPER 12GB VERTO OC デュアルファン VCG4070S12DFXPB1-O | |
2% | ||
7 | 玄人志向 GALAKURO GAMING GG-RTX4060-E8GB/SF | |
1.9% | ||
8 | GIGABYTE GV-N407SWF3OC-12GD | |
1.8% | ||
9 | MSI GeForce RTX 4060 Ti VENTUS 2X BLACK 8G OC | |
1.6% | ||
10 | MSI GeForce RTX 3060 VENTUS 2X 12G OC | |
1.6% | ||
11 | PNY GeForce RTX 4060 8GB XLR8 Gaming OC DUAL FAN White Edition VCG40608DFWXPB1-O | |
1.5% | ||
12 | 玄人志向 GALAKURO GAMING GG-RTX4070SP-E12GB/DF | |
1.5% | ||
13 | 玄人志向 GK-RTX4070TiSP-E16GB/WHITE/TP | |
1.4% | ||
14 | PNY GeForce RTX 4070 12GB VERTO ダブルファン VCG407012DFXPB1 | |
1.3% | ||
15 | MSI GeForce RTX 4070 Ti SUPER 16G GAMING X SLIM | |
1.2% | ||
16 | ASUS PROART-RTX4070S-O12G | |
1.2% | ||
17 | MSI GeForce RTX 4070 SUPER 12G VENTUS 2X OC | |
1.2% | ||
18 | ASUS DUAL-RTX4070-O12G-EVO | |
1.1% | ||
19 | MSI GeForce RTX 4090 GAMING X SLIM 24G | |
1.1% | ||
20 | 玄人志向 GALAKURO GAMING GG-RTX4080SP-E16GB/OC/TP | |
1.1% | ||
21 | GIGABYTE GV-N4060D6-8GD | |
1.1% | ||
22 | GIGABYTE GV-N3060WF2OC-12GD Rev2.0 | |
1.1% | ||
23 | MSI GeForce RTX 4070 VENTUS 2X E 12G OC | |
1.1% | ||
24 | PNY GeForce RTX 4070 Ti SUPER 16GB OC LED トリプルファン VCG4070TS16TFXPB1-O | |
1.1% | ||
25 | MSI GeForce RTX 4070 Ti SUPER 16G GAMING X SLIM WHITE | |
1% | ||
26 | ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti SUPER Trinity Black Edition 16GB GDDR6X ZT-D40730D-10P | |
1% | ||
27 | GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti SUPER Panther OC NED47TSS19T2-1043Z-G | |
1% | ||
28 | MSI GeForce RTX 4060 Ti VENTUS 2X BLACK 16G OC | |
1% | ||
29 | ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 SUPER Twin Edge OC 12GB GDDR6X ZT-D40720H-10M | |
0.9% | ||
30 | GIGABYTE GV-N407SAERO OC-12GD | |
0.9% | ||
31 | GIGABYTE GV-N406TWF2OC-16GD | |
0.9% | ||
32 | GIGABYTE GV-N406TWF2OC-8GD | |
0.9% | ||
33 | ASUS TUF-RTX4070TIS-O16G-GAMING | |
0.8% | ||
34 | MSI GeForce RTX 4070 SUPER 12G GAMING X SLIM | |
0.8% | ||
35 | MSI GeForce RTX 3050 VENTUS 2X 6G OC | |
0.8% | ||
36 | ASUS TUF-RTX4070TI-O12G-GAMING | |
0.8% | ||
37 | MSI GeForce RTX 4080 SUPER 16G VENTUS 3X OC | |
0.7% | ||
38 | GIGABYTE GV-R76GAMING OC-8GD | |
0.7% | ||
39 | ASUS PROART-RTX4070TIS-O16G | |
0.7% | ||
40 | ELSA GeForce RTX 3060 Ti S.A.C LHR GD3060T-8GERSH | |
0.7% | ||
41 | MSI GeForce RTX 4070 Ti VENTUS 2X 12G OC | |
0.7% | ||
42 | MSI GeForce RTX 4080 SUPER 16G GAMING X SLIM | |
0.7% | ||
43 | 玄人志向 GK-RTX3050-E6GB/WHITE/LP | |
0.7% | ||
44 | 玄人志向 RD-RX7600-E8GB | |
0.7% | ||
45 | ASUS DUAL-RTX4070-O12G-WHITE | |
0.7% | ||
46 | ASRock Radeon RX 7800 XT Challenger 16GB OC | |
0.6% | ||
47 | PNY GeForce RTX 4060 Ti 8GB VERTO ダブルファン VCG4060T8DFXPB1 | |
0.6% | ||
48 | ASUS DUAL-RTX4070-O12G | |
0.6% | ||
49 | ASUS DUAL-RTX4060TI-O8G-SSD | |
0.6% | ||
50 | ASUS DUAL-RTX4060TI-O8G-WHITE | |
0.6% |
ランキング上位を見てみると、やはりNVIDIAのGeForceシリーズが圧倒的に人気ですね。
その中でも、RTX 4060、RTX 4070が多いみたいです。
また、特定のメーカーや製品に集中しているというより、いい感じにバラついている感じですね。
グラフィックボードのメーカー
メーカーとしては、ASUS、MSI、GIGABYTE、玄人志向あたりが多いですね。
グラフィックボードに関しては、あまり玄人志向のイメージはなかったので個人的には意外でしたね。
グラフィックボードの価格帯
価格帯としては、5~11万円ぐらいまでがボリュームゾーンです。
人気のあるRTX 4060が4万円台~6万円ぐらいが相場です。
RTX 4070(SUPER, Ti含む)が9~12万円ぐらいで、RTX 4070 TI SUPERなら14~16万円ぐらいですね。
グラフィックボードのベンチマークスコア
ベンチマークスコアを元に、どのスコア帯のグラフィックボードが選ばれているのか集計しました。
大体15,000~35,000あたりが多く、RTX 4060は20,000に少しだけ届かないぐらい、RTX 4060 Tiで20,000前半です。
RTX 4060(Ti)であれば重い3Dゲームでも60FPS以上で快適なので、比較的お手頃な価格な上、十分な性能なので人気がありますね。
また、RTX 4070が25,000程度で、その他のRTX 4070が30,000を少し超えるぐらいです。
RTX 4070シリーズは、重い3Dゲームでも高いFPSを出したい、4K解像度で楽しみたい方向けですね。
私が開発した自作PCツールであれば、パーツの検索機能がありますし、価格とスコア、これを元にしたコスパも一覧で表示しているので比較しやすいです。
グラフィックボードのチップメーカー
人気ランキングでもNVIDIAが目立ちましたが、チップメーカー毎にまとめてみると、より鮮明になりますね。
Intelは最近グラフィックボードに参入してきたこともあり、まだまだ性能面、コスパ面が振るわず、なかなか厳しい状況となっています。
グラフィックボードのGPUチップ(NVIDIA)
NVIDIAで絞ってみると、RTX 4060、RTX 4070あたりが上位です。
それより高性能なRTX 4080、RTX 4090もちらほらありますが、価格がめちゃくちゃ高い上に、一般人には高性能すぎるので選ぶ人は少ないですね。
高負荷な用途と言える3Dゲームや動画編集ですら、RTX 4060、RTX 4070で十分で、それ以上は個人でAIに使ったり、ゲーム+配信など複数なことをするユーザー向けです。
グラフィックボードのGPUチップ(AMD)
AMDに絞ってみると最新の7000シリーズが目立ちますね。
Radeon RX7600は、性能・価格的にもRTX 4060に違いので、3Dゲームをしたいユーザーに人気なんだと思います。
グラフィックボードのGPUチップ(Intel)
Intelに絞ってみると色々なチップがバランスよく選ばれています。
グラフィックボードのGPUチップの世代
グラフィックボードのシリーズ毎にまとめてみるとRTX 40シリーズが圧倒的に多いですね。
次にRTX 30シリーズが来ていますが、1世代古いシリーズを選ぶ理由はよく分かりません。
グラフィックボードの仕様・機能別のデータ
次に仕様や機能別に集計してみました。
ただ、グラフィックボードの選び方としてグラフィック性能や価格帯、メーカーが主な基準になってくるので、その仕様や機能が欲しくてパーツを選んだというよりも、主な基準で選んだ結果たまたまその仕様や機能だった可能性が高いです。
つまり、その仕様や機能が欲しくてそのパーツを選んだのか、それとも、主な基準で選んだらたまたまその仕様だったのかは区別がつかないので、その点に注意して確認してください。
グラフィックボードの映像出力端子
グラフィックボードの映像出力端子には、DisplayPort(DP)、MiniDisplayPort(miniDP)、HDMI、USB Type-C、D-Sub、DVIがあるので、それぞれのポート数をまとめてみました。
最近ではDisplayPortが3ポート、HDMIが1ポートの計4ポートという構成のグラフィックボードがほとんどです。
その他のminiDP、USB Type-C、D-Sub、DVIが搭載されることは少なく、欲しい場合は狙って選ばないといけません。
とは言え、miniDPはDPがあれば使うシーンはあまりないですし、D-SubやDVIは古めな規格なので欲しい状況になることはほぼありません。
グラフィックボードの最大ディスプレイ接続数
グラフィックボードの映像出力コネクタは大体4ポート付いているので、グラフィックボードの最大デュアルディスプレイ接続数は4台です。
グラフィック性能は落ちますが、ただ画面を増やしたいのであればマザーボード側の映像出力も使えばさらに増やすことができます。
グラフィックボードの本体サイズの長さ
グラフィックボードの長さは、200~250mm、300~350mmが多いですね。
全体的に高性能になるほど長くなる傾向があります。
PCケースに収まる長さでなければならないので、グラフィックボードの長さやPCケースの最大グラフィックボードの長さをよく確認しておきましょう。
グラフィックボードのファン数
ファンの数が、2個、3個のものが選ばれやすいようですね。
1個場合は、冷却性能を確保するために回転数を上げるので、騒音が大きくなる傾向があります。
そのため、おすすめとしてはグラフの通り、2個、3個ですね。
この2つで静音性はあまり大差ないと思います。
グラフィックボードの消費電力
消費電力は、200~300Wあたりがボリュームゾーンで、そこを中心に山なりになっています。
RTX 4060が100Wちょいぐらいで、RTX 4070が200~300W程度です。
グラフィックボードのセミファンレス機能の有無
セミファンレスは、低負荷時にファンを停止する機能で、静音性の向上、ファンの長寿命化などのメリットがあります。
この機能付きのグラフィックボードを選んでいるのが約80%、対応している製品数が約65%なので、この機能が欲しくて選んでいるユーザーもある程度いそうですね。
グラフィックボードのスロットサイズ
占有するスロットサイズは、2~3スロットが多く、ものによってはそれ以上のものもあります。
人気のあるRTX 4060、RTX 4070あたりは、2, 2.5スロットが多く、RTX 4080以上になると3スロット以上が多いですね。
グラフィックボードのメモリ容量
GPUメモリは、8GB, 12GB, 16GBが多いです。
RTX 4060が8GB, 16GB、RTX 4070が12GB、16GBで、選ばれている数も多いので、それに引っ張られている形ですね。
グラフィックボードのロープロファイル
ロープロファイルは、一般的に高さや幅が抑えられたコンパクトな設計のことを指します。
ただ、最近のグラフィックボードは高性能化に伴って大型化も進んでいるので、ロープロファイルなグラフィックボードはほとんどありません。
グラフィック性能を上げる目的のグラフィックボードというより、マルチディスプレイにするための映像出力端子を増やす目的のグラフィックボードであれば、ロープロファイルの場合もありますね。
まとめ:グラフィックボードの統計データについて
グラフィックボードの人気ランキングや価格帯、メーカ―やその他の仕様や機能別の選ばれる割合などをグラフでまとめました。
グラフィックボードのメーカー自体は色々なところから出ており、バランスよく選ばれていますが、チップメーカーやブランドで言うとNVIDIAのGeForce RTXシリーズが圧倒的な人気ですね。
特に、RTX 4060、RTX 4070あたりのシリーズが人気です。
やはり、重い3Dゲームに必要な性能と手の出しやすい価格なので選ぶユーザーが多いですね。
グラフィックボード以外にも、他のPCパーツや自作PC全体の分析もしているので参考にしてみてください。
また、PCパーツを選ぶだけで「見積もり」「互換性チェック」「電力計算」ができる『自作PCパーツの見積もり・互換性チェックツール』も運営しているので、自作PCを検討する際はぜひ活用してみてください。
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