見積もり&構成チェックツール

自作PCのメモリの選び方【性能面 / 機能面 / 互換性】

※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

メモリ

パソコンを使う上で欠かせないメモリですが、パソコンの安定性に直結してくる重要なパーツです。

 

メモリ容量が十分にあると、多くのアプリを立ち上げたり、複数の作業を同時に作業できたりと効率的になります。

逆に、使用用途に対して、不適切なメモリを選んでしまうと、パソコン動作が重くなったり、カクカクになったりと快適に使えなくなってしまいます。

 

また、自作PCで組み立てる際には、メモリ規格などがマザーボードに対応しなければいけないなど互換性も含めてメモリを選ぶ必要があります。

そこで、自作PCの構成を考える上で必要なメモリの知識や機能、性能面や互換性の観点から見た選び方などを解説していきます。

 

メモリの選び方のポイント
  • 性能で最も重要なのはメモリ容量
  • デュアルチャネル構成で高速化しよう
  • メモリ不足になると快適に使えない
  • メモリ規格がマザーボードに対応しているか
  • マザーボードに搭載可能なメモリ枚数・容量に注意
  • 大型の空冷式CPUクーラー×ヒートシンク付きメモリは干渉に注意

 

 

メモリの役割とは?

メモリは、パソコンが作業する際に一時的にデータを保持するためのパーツで、高速なCPUと低速なストレージ(SSD/HDD)の間に入ることで、データのやり取りを効率化する役割があります。

ケンさん

他にも、メインメモリ、主記憶装置、RAM(ラム)って言われたりするで!

 

パソコンでは、ユーザーが使うアプリ以外にもバックグラウンドで動作しているものも含めて、様々なプログラムが動いています。

このプログラム自体やプログラムが使うデータを一時的に格納しておくのがメモリです。

 

メモリの容量が大きければ大きいほど、一度にできる作業が多くなります。

立ち上げておくことができるアプリ数が増えたり、複数の作業を同時に実行できたりします。

 

そのため、アプリをたくさん立ち上げる方やメモリの消費量が多くなりがちな画像・動画編集などのクリエイティブな用途では、メモリ容量は多めにしておいた方がいいですね。

メモリの容量別の性能目安、使用用途別のメモリ容量の目安については、後程を解説しています。

 

逆に、メモリ容量が不足していると、パソコンの動作が遅くなったり、一時的にフリーズしたり、プログラムが正常に動かなったりします。

私はこの状況になったことがありますが、まともに作業ができなくなりますし、ストレスがやばいので、適切なメモリ容量を選ぶことは非常に重要です。

 

 

メモリの基本知識

メモリの選び方の前に、メモリや型番の見方、使用用途別の性能の目安など前提となる知識を解説していきます。

それでは、これらのポイントについて詳しく解説していきましょう。

 

メモリの型番の見方(性能を大体把握)

メモリには型番があり、それを見ることで、大雑把に性能を把握することができます。

メモリ規格

規格メモリの互換性、速度、サイズ、消費電力などの技術的な特性や性能を定義するもの。
マザーボードのメモリスロットの規格と合わせる必要がある。
データ転送速度メモリのデータ転送速度のことで、どれだけの速さでデータが読み書きできるかを示す。
容量メモリの容量。
性能面において一番重要。
枚数メモリの枚数で、1枚, 2枚組, 4枚組セットが多い。
マザーボードのメモリスロット数に収まる枚数にする必要がある。
また、データ転送速度を高速化するため、デュアルチャネル構成にできる枚数がよい。

容量とデータ転送速度は性能面、規格や枚数は互換性に関わるところなので、後程詳しく解説していきます。

 

メモリ不足について

元々のメモリ容量が少なかったり、アプリをたくさん実行するなどのメモリ消費量が多い場合、メモリ不足になることがあります。

メモリ不足が発生した場合、次のようなことが起きます。

  • アプリ立ち上げ時に、メモリ不足の警告が出て実行できない。
  • アプリの応答速度が長くなり、動作がカクついて快適に作業ができない。
  • アプリ起動が遅くなる。

こうなると他の実行しているアプリを閉じてメモリ使用量を減らしてから、アプリを起動する必要があります。

 

単純にアプリを終了させてから、起動するという操作自体に時間がかかりますし、他のアプリを参考にしながら作業したいときは、それができなくなるかもしれません。

例えば、ゲームをしながら攻略情報をブラウザで閲覧、ブラウザで情報を見つつエクセルに入力とかです。

 

「この作業ではこのアプリとセットで使う」というようなアプリがあると思いますが、メモリ容量によってはそのアプリすら表示できない可能性もあります。

こうなると作業効率が落ちることは目に見えているので、それは絶対に避けたいところです。

 

このようなメモリ不足による作業の制限、快適に作業できないストレスが起きないようにするために、使用用途別に、適切なメモリ容量を搭載したパソコンを選ぶ必要があります。

 

ちなみに、メモリ不足による動作のカクつきの原因は、メモリスワップ(ページング)が起きるためです。

 

メモリが不足すると、メモリのデータを一時的にストレージ領域(スワップファイル、ページファイル)にデータを移動させます。

これはメモリの一部として機能しますが、ストレージのデータ転送速度はメモリよりもはるかに遅いため、パソコンの全体的なパフォーマンスが著しく低下するのが原因です。

 

このようにメモリ不足に陥っても、何とかアプリを実行しようとメモリ内をやりくりしてくれるようになっています。

 

しかし、メモリとストレージの速度は製品によって様々ですが、ストレージは、メモリの1/10~1/100程度の速度になります。

 

このような低速なデータのやり取りをすると、データの待ち時間による処理の中断が発生します。

データを元に様々な処理を行うCPUからすると、データが遅すぎて次の処理が行えず、待ち状態となります。

 

結果、画面上ではアプリ動作のカクつきという形で表れてきます。

このように、パソコンで快適に作業する上でメモリ容量は重要になってきます。

 

 

自作PCのメモリの選び方【性能面】

ここではメモリの性能面・機能面に注目して選び方を解説していきます。

それでは、これらのポイントについて詳しく解説していきましょう。

 

メモリの性能は、容量とデータ転送速度の2つがありますが、メモリ容量の方が圧倒的に重要です。

それぞれどのくらい重きを置けばいいかというと、容量:9、データ転送速度:1ぐらいで、メモリ容量が重要です。

 

とにかく、使用用途に対して快適になる容量のメモリを選ぶことが必須です。

その上で、まだメモリに予算を割けるのであれば、データ転送速度も意識して選ぶといいですね。

ケンさん

何回か自作PCしてるけど、正直速度を見て選んだことはないな…

 

メモリ容量【最重要】

メモリ容量は、一時的にデータを保存できる容量で、大きければ大きいほど一度にできる作業が多くなります。

例えば、アプリケーションをたくさん立ち上げたり、メモリを多く使う3Dゲームや動画編集などのクリエイティブなアプリを快適に使えたりします。

 

パソコンのパーツを説明する際に、よく机の広さに例えられます。

このスペースが広ければ、作業に必要なもの(パソコン、資料、電卓、色々な物)を置けるスペースが広いので、作業がしやすくなりますよね。

しかし、机が狭いと教科書を片付けてから参考書を開くように限りあるスペースを整理しつつ使っていく必要があります。

これでは効率的とは言えませんし、ストレスも溜まってしまいます。

 

ここで、よく使われるメモリ容量別に、大体の性能の目安をまとめておきます。

メモリ容量性能目安
ハイエンド
(高性能)
32GB以上プロ向けのクリエイティブ用途や
データ分析、AI学習などのプログラミングをする方向け。
ミドルレンジ
(高性能)
16GBゲーミングPC、クリエイティブPCで主流の容量。
ゲーム用途なら16GBでいいが、クリエイティブ用途は何かとメモリ使用量が
多くなりがちなので最低16GBは欲しい。
また、ビジネス用途でも同時に10~20個ぐらいのアプリを立ち上げる
のであれば16GBが最適。
8GB最近の主流の容量。
ネットや動画視聴などの普段使い、Word, Excel, メールなどのビジネス用途
プログラミングなど幅広い用途で快適な容量。
ローエンド
(低性能)
4GBネットサーフィンや動画視聴など軽めの作業向け。
同時に実行できるアプリ数も少なく、
積極的に選ぶメモリ容量ではありません。

 

また、使用用途別に必要なメモリ容量の目安をまとめました。

使用用途メモリ容量
普段使い
(ネット/動画視聴/通販など)
8GB
ゲーム16GB
動画編集16GB / 32GB / 64GB
ビジネス8GB / 16GB
プログラミング16GB / 32GB / 64GB
トレード
(株/FX/仮想通貨)
8GB
AI/ディープラーニング16GB / 32GB / 64GB
大学生向け8GB / 16GB

同じ用途でも、どの程度のことまでやりたいかで搭載すべきメモリ容量が変わってきます。

 

例えば、動画編集であれば、ホームビデオやYouTube向けのFHD動画で、テロップやカットなどの簡単な編集であれば、16GBでも大丈夫です。

しかし、4K動画や動画全体の色調を変えたり、エフェクトなどの重い編集を多用するような編集であれば、32GB, 64GBぐらい必要になってきます。

 

このように、どの程度のことをやるかでも必要なメモリ容量が変わってきます。

その辺りの詳しい解説は、表の「使用用途」欄のリンク先で、より詳細に分けて解説しているので参考にしてください。

 

最近の主流は、8GB, 16GBで、ゲーミングPCやクリエイティブPCであれば16GB以上ですね。

 

普段使い、ビジネス用途のスタンダードPCの場合は、8GBと16GBの両方が選択肢になります。

メモリ容量は時代が進むにつれて標準的な容量が増えてくるのですが、2024年の今は8GBから16GBに増えようとしている時期です。

 

スタンダードPCにおいては、2,3年前であれば8GBが主流だったのですが、最近は、8GBと16GBが半々ぐらいになってきました。

今後は、メモリ容量が16GBが標準になってくるかなと思います。

ケンさん

色々なパソコンメーカーで8GBと16GBで検索して製品数を調べてみたで!

 

普段使い、ビジネス用途においては、軽く使う程度であれば8GBで問題ありません。

しかし、1つの作業に対して様々なアプリを使う場合、性格的にアプリの起動・終了の手間や時間がもったいないから、基本的に色々なアプリを立ち上げておきたい場合は、16GBがおすすめです。

 

私が後者のタイプで常にアプリを10~20個程度立ち上げて作業するのですが、8GBで作業をしていた時は10個ほどでメモリ使用量が一杯になって動作が重くなっていました。

そのため、普段からアプリを10~20個以上立ち上げて作業する方は、16GBにした方がいいですね。

 

ちなみにアプリは、ブラウザ、エクセルやメモ、プログラミングの開発ツール、メーラーなどで、エクセルやメモに関しては複数立ち上げています。

また、使用するメモリ容量は、アプリやアプリの作業量によって全然異なるので、あくまで目安と考えてください。

 

これに対して、4GBは少なく、アプリを1,2個立ち上げたらメモリが足りなくなるという感じなのでおすすめできません。

 

元々、パソコンを起動した時点でOSが実行されるので、OS分のメモリが使われます。

Windows 10の場合でメモリを2GB前後使用するため、メモリ容量が4GBだと自由に使えるメモリが残りの2GBとなります。

 

これではアプリを複数立ち上げて使うことがほとんどできないので、最低でも8GB、予算に余裕があるのであれば16GBあった方が絶対にいいですね。

 

データ転送速度

データ転送速度は、CPU・メモリ間やメモリ・ストレージ間でデータをやり取りする際の転送速度です。

 

この速度が早ければ早いほど、データのやり取りが高速なので、パソコン全体の処理速度が上がることになります。

とは言え、他のパーツの兼ね合いもあって、データ転送速度が高速なものを選んでも体感的に分かるほど速くなったと感じることは少ないです。

 

そのため、データ転送速度はあまり気にしなくても大丈夫と思っていて、それよりも容量の方が圧倒的に重要です。

販売されているパソコンのスペック表を見ても、メモリ容量しか書かれていなかったりしますが、それほどメモリ容量が重要ということですね。

 

また、マザーボード側のメモリスロットでも、その速度に対応する必要があります。

もし、メモリのデータ転送速度よりも低いマザーボードを選んでしまうと、低い方でデータ転送することになります。

特に、意識的に高速なメモリを使おうと考えている方は、念のため、マザーボード側の対応速度も見ておきましょう。

 

メモリのデュアルチャネル構成

デュアルチャネルとは、同じ規格・容量のメモリを2枚1組で挿すことで、データ処理を高速化する技術のことです。

他にも、3枚1組をトリプルチャネル、4枚1組をクアッドチャネルと言いますが、ハイエンドなマザーボードでやっと対応しているかどうかなので、デュアルチャネルが主流ですね。

 

体感的には速くなったなと感じることはあまりないですが、環境、ベンチマークソフトによっては、5~10%程度パフォーマンスが高くなる場合があるようです。

 

そのため、メモリ構成によってはデータ転送速度が変わってきます。

例えば、16GBのメモリにしたい場合、次の2つの構成が考えられます。

  • 16GBメモリを1枚
  • 8GBメモリを2枚
※メモリのデータ転送速度はすべて同じものとします。

この2つの構成であれば、8GBメモリを2枚にした方が、デュアルチャネル構成によってメモリのデータ転送速度が速いです。

 

 

自作PCのメモリの選び方【互換性 / 重要】

ここではメモリの互換性に注目して選び方を解説していきます。

互換性に適しないメモリを選んでしまうと、物理的にサイズが合わず、組み立てられないので絶対に確認しておきましょう。

それでは、これらのポイントについて詳しく解説していきましょう。

 

メモリ規格がマザーボードに対応しているか。

メモリは規格毎に形状が少し異なるため、マザーボードのメモリスロットの規格に対応している必要があります。

もし、メモリとマザーボードの規格を間違えてしまうと、差し込むことができないため、絶対に間違えてはいけません。

 

物理的な形状を示す規格には、モジュール規格・メモリ規格があります。

モジュール規格は次の2つです。

  • デスクトップPC向けの「DIMM」
  • ノートPC向けの「SO-DIMM」

DIMM(デスクトップPC向け)

メモリ規格 SO-DIMM

SO-DIMM(ノートPC向け)

見ての通りサイズが全然違い、ノートPC向けのメモリは半分ほどの長さで小さいです。

自作PCにおいては、基本的にデスクトップPCになるのでDIMMを使います。

ノートPCでメモリ増設をしたい場合は、SO-DIMMを使いますね。

 

メモリ規格で、最近使われているものは次の通りです。

  • DDR5 SDRAM
  • DDR4 SDRAM

DDR4_DDR3_切り欠き

上:DDR3、下:DDR4

メモリには切り欠きがありますが、この切り欠きの位置が違います。

 

このように、モジュール規格、メモリ規格によって形状が違うため、マザーボード側のメモリスロットでどの規格に対応しているか確認しましょう。

≫ 関連記事:自作PCのメモリ規格、モジュール規格、速度規格の3つ解説!最近の主流規格についても!

 

メモリの枚数がマザーボードに搭載できるか。

メモリ 選び方 メモリスロット

パソコンに搭載できるメモリの枚数は、マザーボードのスロット数で決まります。

コンシューマー向けのマザーボードでは、2, 4スロットが一般的ですが、一部のサーバー・ワークステーション向けのものでは、8, 12, 16, 24スロットもあります。

 

また、マザーボードの規格が、Mini-ITX、MicroATXサイズだと2スロット、MicroATX、ATX、Extended ATXだと4スロットが多いですね。

 

2スロットのマザーボードでメモリ2枚のパーツ構成だと、メモリ増設したい場合に、元々のメモリと交換する必要がありますが、4スロットであれば増設という形で元々のメモリも活用できます。

将来的なアップグレードの可能性もある程度考えて、マザーボードのメモリスロット数も選ぶといいですね。

 

メモリの容量がマザーボードの最大容量以内であるか。

搭載できるメモリの最大容量は、マザーボードがサポートする最大メモリ容量で決まります。

つまり、メモリ容量は、マザーボードに対応する最大メモリ容量以内にする必要があります。

 

とは言え、マザーボードの最大メモリ容量は、64, 128, 192GBと一般的に搭載するメモリ容量と比べると、かなり容量が大きいので特に気にする必要はありません。

 

メモリと空冷式CPUクーラーが干渉しないか

メモリを選ぶ際には、CPUクーラーとの物理的な干渉がないかも重要なポイントです。

社外品の大型な空冷式CPUクーラー、かつ、ヒートシンク付きのメモリの組み合わせの場合、物理的に干渉して組み立てられない可能性があります。

 

メモリ 選び方 CPUクーラーとの干渉 1 通常のメモリ

通常のメモリ

メモリ 選び方 CPUクーラーとの干渉 2 ヒートシンク付きメモリ

ヒートシンク付きメモリ

大型な空冷式CPUクーラーだと、メモリスロットの上部までヒートシンクやファンの部分が出てくる場合があります。

また、ヒートシンク付きメモリの場合、通常のメモリより高さがあるので、高さによってはCPUクーラーのヒートシンク部分の高さを超えることもあります。

そのため、これら2つの要素によって、最悪干渉してしまうこともあります。

 

ただ厄介なのが、メモリの高さや空冷式CPUクーラーの細かい寸法は、仕様に書かれていないのがほとんどなので、購入前に干渉するかどうかを見極めるのが難しいです。

そのため、不安のある方はヒートシンクが付いていないメモリにすることをおすすめします。

 

リテールクーラーや簡易水冷式CPUクーラー、また、ヒートシンクやファン部分が小型なCPUクーラーであれば、ヒートシンク付きメモリの組み合わせでも干渉は起きないと思います。

 

 

メモリの補足知識

ここではメモリの性能面や互換性ほど重要ではないものの知っておいた方がいい知識を解説していきます。

それでは、これらのポイントについて詳しく解説していきましょう。

 

メモリのECC機能について

ECC(Error Correcting Code)とは、エラー訂正符号の略で、データの誤りを検出して自動的に訂正する機能です。

サーバーやワークステーションなど、連続稼働が求められるシステムやデータの正確性が極めて重要な業務で使用されることが多いです。

 

そのため、自作PCにおいては基本的に必要のない機能ですし、ECC対応のメモリは価格が高い傾向にあるので、非ECCメモリを使うのが一般的ですね。

 

また、ECC機能を使うためには、マザーボードもECCに対応している必要があり、マザーボードの価格も高くなります。

その上、ECC機能によるわずかなパフォーマンスの低下があるため、一般的なパソコンには必要ありません。

 

メモリのXMPプロファイルについて

XMP(eXtreme Memory Profile)とは、インテルによって開発されたメモリ性能設定の仕様で、メモリの動作設定を簡単に最適化するための機能です。

 

通常は手動で複雑な調整が必要となりますが、XMPを使うことで、メモリの速度、タイミング、電圧などの設定を自動的に最適化してくれます。

ただし、XMPを使うためには、XMPに対応するCPUとマザーボードが必要です。

ケンさん

オーバークロックや高負荷な用途でさらにパフォーマンスを出したいユーザーに関係する機能やな!

 

また、XMPを有効にすることでメモリの電圧が上がる場合があるため、冷却環境にも注意を払う必要があります。

 

メモリのタイミング・レイテンシについて

メモリのタイミングとは、メモリがデータにアクセスする際の速度を決定するパラメータのことで、CL(キャス・レイテンシ)と呼ばれる値が代表的です。

この値は、メモリがCPUの要求に応答してデータを送り出すまでの時間を指し、この時間が短いほど高速にデータを処理できるのでシステム全体の反応速度が向上します。

 

ゲームや高負荷のアプリケーションを使用する場合は、レイテンシが低いメモリを選択することで、よりスムーズな動作が期待できます。

しかし、このタイミングやレイテンシを含めメモリの速度については、容量の方が重要なので過度に心配する必要はありません。

 

メモリのReg機能について

Reg(Registered)機能は、メモリモジュールに信号を安定させるためのレジスタを搭載していることを意味し、レジスタによってメモリとメモリコントローラ間のデータ信号を一時的に保持し、タイミングを調整します。

これにより、システムの信頼性と安定性が向上し、エラーの発生を抑制することができます。

 

この機能は、大量のメモリが必要とされ、データの整合性が非常に重要なサーバーやワークステーションなどの高負荷環境で使用される機能です。

そのため、一般的な自作PCであれば必要のない機能ですね。

 

また、Reg機能を持つメモリは、これに対応したマザーボードも必要になりますし、レジスタによるわずかな遅延が発生するため、高速性を重視する用途には不向きかもしれません。

 

 

メモリのよくある質問

ここではメモリについて、よくある質問・疑問を解説していきます。

メモリのよくある質問

 

メモリとストレージの違い

メモリは一時的なデータの保持に使われ、パソコンが現在行っている作業に直接関わっていて、CPUの処理に必要なデータやプログラムを一時的に保持する場所です。

一時的にというのは、プログラムに紐づいたデータであれば、そのプログラムを実行している間のみメモリに保存されていますし、パソコンの電源を落とせば、メモリ内のデータは全て消えます。

 

一方、ストレージはデータを長期間保存する場所で、ここにはファイルやプログラムが保存されます。

もちろん、電源を落としてもデータが消えることはないので、このストレージにOSやゲーム、自分の作ったファイルなどを保存します。

 

保存期間に違いはあれど、メモリとストレージのどちらもデータを保存しておくパーツなので、

なぜ、ストレージから直接データをやり取りしないの?

一時的にしか保存されないならメモリはいらないじゃん

と思われるかもしれません。

 

これができない理由は、ストレージのデータ転送速度がCPUからするとすごく遅いためです。

CPUが使いたいデータをストレージから持ってくるのに時間がかかりすぎて、CPUに待ち状態が発生してしまうため、パソコン全体のパフォーマンスが低下します。

 

この速度差を補うために、高速なCPUと低速なストレージ(SSD/HDD)の間に入ることで、データのやり取りを効率化するパーツがメモリというわけです。

一度ストレージから取得したデータをメモリに一時的に保存しておくことで、2回目以降は、メモリからデータを取得してデータを高速にやり取りしています。

 

例え、ストレージの中でも高速と言われるNVMe SSDであっても、メモリと比べて大きな速度差があります。

PCI Express Gen4に対応しているもので、データの読み込み速度が毎秒7.0GBほどです。

これに対して、メモリのデータ転送速度は規格によっても違いますが、毎秒20~50GBほどです。

 

Gen4のNVMe SSDと比較すると3~7倍と大したことなさそうに思えますが、SATA SSDだと毎秒600MBほどで約30~80倍、HDDだと毎秒150MBほどで約130~330倍違います。

 

 

まとめ:使用用途に応じて適切なメモリ容量を選ぶことが重要!

メモリは、パソコンが作業する際に一時的にデータを保持するためのパーツで、高速なCPUと低速なストレージ(SSD/HDD)の間に入ることで、データのやり取りを効率化する役割があります。

 

自作PCにおける性能面のメモリ選びについては、メモリ容量が最重要です。

使用用途や同じ用途でもどの程度のことをしたいかによって必要なメモリ容量が変わってきますが、この容量を間違えてしまうとパソコンが快適に動作しないので注意しましょう。

 

再度、メモリの選び方をまとめておきます。

メモリの選び方のポイント
  • 性能で最も重要なのはメモリ容量
  • デュアルチャネル構成で高速化しよう
  • メモリ不足になると快適に使えない
  • メモリ規格がマザーボードに対応しているか
  • マザーボードに搭載可能なメモリ枚数・容量に注意
  • 大型の空冷式CPUクーラー×ヒートシンク付きメモリは干渉に注意

性能面以外にも、互換性は絶対に間違えてはいけません。

特に規格を間違えてしまうと、そもそもマザーボードに挿せないので組み立てることができません。

 

買い直しになると本来しなくてもいい余計な出費が増えることになるので、購入前に本当に規格があっているかよく確認しておきましょう。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です