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自作PCのマザーボードの選び方【性能面 / 機能面 / 互換性】

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マザーボード

マザーボードは、他の全てのパーツを接続するための基盤となるパーツです。

 

マザーボードによって搭載できるCPUやメモリの種類、枚数、M.2 SSDの枚数などが決まってきます。

物理的に大きいマザーボードの方が、搭載できるメモリの枚数や拡張カードスロット(PCI Expressスロット)などが多くなります。

 

そのため、パーツ構成に応じて適切なものを選ぶ必要があり、将来的に増設等をしたい場合は、それを見越したマザーボードを選ぶ必要があります。

ケンさん

間違えたらパーツが挿されへんから注意せなあかんで!

 

マザーボードの選び方のポイント
  • 他のPCパーツが搭載できる規格・数にする
  • 増設予定があるなら拡張性の高いものを選ぶ
  • PCケースの対応マザーボード規格を合わせる
  • CPU・CPUクーラーのソケット形状を合わせる
  • メモリ規格・枚数・最大容量に合わせる
  • M.2 SSDの規格とスロット数を合わせる
  • SATA SSD, HDDのコネクタ数を合わせる
  • GPU搭載時はPCI Expressのスロットを合わせる

 

 

マザーボードとは

マザーボードは、コンピュータの中心となる基板であり、CPUやメモリ、拡張カードなどの重要な部品を接続する役割を持っています。

 

製品によって、CPUのメーカーやソケット形状、メモリの規格や枚数、M.2 SSD、PCI Expressのスロット数、SATA SSD, HDDを接続するためのSATAコネクタ数など様々な部分が決まってきます。

他のパーツとの互換性に関わるところも多いので、どういう部分に注意しないといけないのかをしっかりと把握した上で、間違えないように選びましょう。

 

また、マザーボードには、ATX、Micro-ATX、Mini-ITXなどの規格があり、物理的なサイズも変わってくるので、その規格に対応したPCケースを選ぶ必要があります。

このように、たくさんの要素を確認しつつ、全てにマッチしたマザーボードを選ばないといけないので、結構考えることは多いですね。

 

これを考えるためには、事前にマザーボードや他のパーツの知識も必要になってくるので、そのあたりを重点的に解説していきます。

 

 

マザーボードの基本知識

マザーボードの選び方の前に、規格や部品、コネクタ、バックパネルなど前提となる知識を解説していきます。

それでは、これらのポイントについて詳しく解説していきましょう。

 

マザーボードの規格

マザーボード 選び方 規格 Extended ATX

Extended ATX(W330×305mm)

マザーボード 選び方 規格 ATX

ATX(W224×H305mm)

マザーボード 選び方 規格 MicroATX

MicroATX(W244×H244mm)

マザーボード 選び方 規格 Mini-ITX

Mini-ITX(W170×H170mm)

マザーボードには、サイズや形状、マウントホールの配置を定める規格があります。

主要な規格としては、ATX、Micro-ATX、Mini-ITXがあり、その他にもATXより大きなExtended ATXやサーバー向けのSSI-CEB, SSI-EEBなどがあります。

 

大雑把に言うと物理的なサイズが違うのですが、そのサイズによって搭載できるメモリやM.2 SSD、拡張カードの数も変わってきます。

 

ATXは、一般的なデスクトップPCに多く使われ、拡張性が高いのが特徴です。

Micro ATXは、ATXよりも小さくコンパクトなPCを組みたい場合に適しており、Mini ITXはさらに小型で、小さなPCケースに使われることが多いです。

 

一般的には、大きなマザーボードであるほどスロット数が多くなるので、たくさんのパーツを搭載したい場合、また、将来的に増設したい場合は、ATX、Extended ATXなどの大きいマザーボードを選ぶことになります。

一方で、コンパクトなPCケースで組み立てたい場合は、Micro-ATX、Mini-ITXなどの小さめのマザーボードを選ぶことになるので、メモリスロット数やM.2スロット数が少なくなったりします。

 

PCケースに対応するマザーボード規格も決まっているので、それに対応したマザーボードを選ぶ必要があります。

大きいPCケースに小さいマザーボードであれば問題ありませんが、小さいPCケースに大きいマザーボードだとサイズ的に入らないので、組み立てることができなくなってしまいます。

 

チップセット

チップセットは、マザーボード上にあるICチップのことで、CPU、メモリ、グラフィックスカード、ストレージなど様々なパーツ間でデータの流れや通信を調整・制御しています。

色々な種類のチップセットがありますが、次のような数やバージョンが決まります。

  • PCI Expressのレーン数やバージョン
  • USBのサポートしているポート数やバージョン
  • SATAコネクタの最大数
  • RAID構成
  • 画面出力最大数
  • CPUやメモリのオーバークロックの対応状況

とはいえ、実際に自作PCでパーツを選ぶ際は、一般的なパーツ構成であれば、ほとんど対応しているのであまり気にすることはありません。

また、チップセットでは対応していても、マザーボード側にスロットやコネクタが実装されていないと結局使うことができないので注意しましょう。

 

チップセットの型番は、IntelとAMDで違い、さらに、グレードや世代によっても違ってきます。

例えば、Intelの第13世代に対応した700・600シリーズのチップセットは次のような種類があります。

チップセット用途特徴
Z790ハイエンド
ユーザー向け
オーバークロックに対応し、拡張性とパフォーマンスを重視。
高速なメモリとPCI Expressレーンをサポートし、ゲームや高負荷のアプリケーションに適している。
H770メインストリーム
ユーザー向け
オーバークロック未対応だが、一般的な使用に必要な性能と機能を提供。
コストパフォーマンスに優れている。
B760メインストリーム
ユーザー向け
必要十分な機能を備えながらも価格を抑えたモデル。
一般的な構成や軽いゲームに適している。
H610エントリーレベル向け最も基本的な機能に焦点を当て、低コストで提供される。
基本的な普段使いや事務作業などの軽めのオフィス作業に適している。
W790ワークステーション向けエンタープライズレベルの性能と安定性に焦点を当てており、
高負荷の専門的なアプリケーションやタスクに最適。
ECCメモリサポートなど、高度な信頼性とエラー耐性がある。
Q670企業やビジネス向け管理機能やセキュリティ機能に焦点を当てており、ビジネス用途に適している。
リモート管理、高度なセキュリティオプション、安定したプラットフォームを提供。

主に、先頭のアルファベットで大体のグレード・用途が分かるようになっています。

また、グレードが高くなるほど、マザーボード自体の価格も高くなるので、予算や他のパーツ構成に合わせて、どの程度がいいのかを決めましょう。

 

マザーボードの各部品の名称

マザーボードには、他のパーツを取り付けるための様々な部品が付いていて、初めて見る方はどれがどれか分からないと思います。

自作PCをする上で、今後色々な名称が飛び交うので、言葉だけで知っておくより、マザーボードのどのあたりにあって、どのような形状をしているのかを知った上で進めた方が、イメージしやすいと思うので、まずは各部品の名称をまとめておきます。

 

CPUソケット

マザーボード 選び方 各部品名称 1 CPUソケット

ソケットとは、CPUがマザーボードに取り付けられる部分のことで、CPUのメーカー(Intel / AMD)、ブランド(Core iシリーズ / Xeon)、世代によって、対応するソケットの形状やピンの数・配置が異なります。

 

そのため、CPUが決まっている場合は、そのCPUに合うソケット形状を持つマザーボードを選ぶ必要がありますし、先にマザーボードを決めた場合は、それに合うCPUを選ぶ必要があります。

 

例えば、IntelのCPUでは「LGA 1700」や「LGA 1200」などのソケットがあり、AMDのCPUでは「AM4」や「TR4」などがあります。

 

メモリスロット

マザーボード 選び方 各部品名称 2 メモリスロット

メモリスロットは、メモリを挿すためのスロットで、搭載できるメモリ規格や枚数が決まります。

一般的なマザーボードであれば、2,4スロットが多いですが、サーバー、ワークステーション向けでは、8,12スロットなどもあります。

 

PCI Expressスロット

マザーボード 選び方 各部品名称 3 PCI Expressスロット

PCI Expressスロットは、グラフィックカードや無線LANカード、キャプチャボードなどの拡張カードを接続するためのスロットです。

拡張カードとのデータのやり取りや拡張カードを動かすための電源供給を行っています。

 

このスロットには様々なサイズとバージョンがあります。

 

サイズに関しては、PCI Express x16, x8, x4, x1とあり、数字が大きい方が物理的なスロットのサイズが大きいです。

グラフィックボードではx16が使われることが多く、無線LANカードやキャプチャーボードなどはx1, x4などが多いですね。

この他にも、RAID機能やUSBポート、M.2スロットなど様々なものを拡張することができます。

 

また、バージョンについては、1.0~6.0まであり、データ転送速度が違います。

最近よく使われるのは、3.0, 4.0, 5.0ですね。

 

このバージョンには互換性があるため、搭載する拡張カードとのバージョンが合っていなくても動作します。

しかし、合っていない場合は、バージョンの低い方に合わせられる点に注意しておきましょう。

 

ただ、個人的には、自作PCを組む上で、このバージョンを気にしたことはないですね。

新しめのCPUで組もうとすると、ソケット形状があるので、それなりに新しめのマザーボードを選ぶ必要があります。

新しめのマザーボードには、その時の主流なバージョンのPCI Expressスロットになるので、あまり気にしなくても大丈夫だと思います。

 

M.2スロット

マザーボード 選び方 各部品名称 4 M.2スロット

M.2スロットは、小型で高速なNVMe SSDやWi-Fiモジュールを接続するための端子です。

最近では、OSやゲームなどを入れるメインのストレージとして、NVMe SSDが使われることが多いですね。

 

マザーボードによっては、1つから2,3個のM.2スロットが搭載されています。

マザーボードの規格的に小さいサイズの場合、低価格のマザーボードの場合は、1スロットであることが多いですね。

 

また、M.2スロット以外にも、SATAコネクタで接続するストレージ(SATA SSD / HDD)もあるので、このスロット数分しかストレージを搭載できないというわけではありません。

 

マザーボードのコネクタの名称

マザーボードには、電源供給するためのコネクタやデータをやり取りするためのコネクタがたくさんついています。

主に、マザーボードの外周あたりに色々な形状のコネクタがあるのですが、そちらも主要なものについては知っておいた方がいいです。

 

メインコネクタ

マザーボード 選び方 コネクタ名称 1 メインコネクタ

メインコネクタは、マザーボードに電力を供給するための主要なコネクタです。

 

CPUコネクタ

マザーボード 選び方 コネクタ名称 2 CPUコネクタ

CPUコネクタは、CPUへの電力供給に使用されます。

 

CPUファンコネクタ

マザーボード 選び方 コネクタ名称 3 CPUファンコネクタ

CPUファンコネクタは、特にCPUクーラー(CPUファン)用に設計されたファンコネクタです。

通常は4ピンのPWMコネクタなので、精度の高いファンの回転数制御ができます。

 

CPUの温度をモニタリングしているので、その温度に合わせてCPUクーラーのファンの回転数を制御することで、適切な温度を保ち、高いパフォーマンスを維持し続けることができます。

 

ファンコネクタ

マザーボード 選び方 コネクタ名称 4 ファンコネクタ

ファンコネクタは、主にPCケースファンを接続するためのコネクタです。

最近のマザーボードでは、CPUファンコネクタと同様に、4ピンコネクタなことが多いですね。

 

SATAコネクタ

マザーボード 選び方 コネクタ名称 5 SATAコネクタ

SATA電源コネクタは、SATA SSDやHDD、光学ドライブなどのSATAデバイスに電力を供給するために使われます。

 

USB2.0, 3.0コネクタ

マザーボード 選び方 コネクタ名称 6 USBコネクタ

このコネクタは、PCケースのフロントにあるUSBポートを使えるようにするためのコネクタです。

PCケースのフロントに、USB 2.0やUSB 3.0のポートがありますが、組み立てれば勝手に使えるようになるわけではありません。

 

PCケース内部では、フロント部分からいくつかケーブルが出ているので、それをマザーボードのUSBコネクタに接続することで、フロントのUSBポートが使えるようになります。

 

USB 2.0と3.0でコネクタが違うので、PCケースのフロントのUSBポートのバージョンを見て、そのコネクタがマザーボードにあるかを確認しておきましょう。

ケンさん

初めて自作PCした時は、USB 3.0コネクタが付いてなくて、フロントのUSBが使えんかった苦い思い出があるから気を付けるんやで!

 

マザーボードのバックパネル(入出力ポート)

マザーボードのバックパネルには、USBポートや映像出力端子など様々なポートが付いています。

この部分が、マザーボードをPCケースに設置した際に、PCケースの後ろ側から出てきます。

 

そのため、パソコンの後ろ側に色々接続するポート類は、マザーボードのバックパネル部分で決まるので、どういうポートがあるのか知っておきましょう。

 

USBポート

マザーボード 選び方 バックパネル 1 USBポート

USBポートは、キーボードやマウス、外付けストレージなどの周辺機器を接続するためのポートです。

最新のUSB 3やUSB Type-Cなどの高速なデータ転送ができるものがあれば、大容量のデータを扱いたい時にも便利ですね。

 

映像出力ポート

マザーボード 選び方 バックパネル 2 映像出力ポート

映像出力ポートは、モニターにパソコンの映像を出力するためのポートです。

このポートには、DisplayPort、HDMI、VGA(D-Sub)、DVIがあります。

 

最近では、DisplayPort、HDMIが使われることが多く、ビジネスシーンではVGAが使われることもありますね。

自作PCにおいては、DisplayPort、HDMIを中心に、モニターの入力ポートもこれに対応したものを選ぶと良いでしょう。

 

また、マザーボードの映像出力ポートは、内臓GPU機能のあるCPUを搭載している場合のみ使うことができます。

もし、内臓GPU機能がないCPUだと、このポートに挿してもモニターに映像は出力できません。

その場合は、グラフィックボードに映像出力ポートを使います。

 

LANポート

マザーボード 選び方 バックパネル 3 LANポート

LANポートは、有線接続でインターネットを使うためのLANケーブルを接続するためのポートです。

自宅内でWi-Fiが飛んでいて、かつ、マザーボードの機能や拡張カードによってパソコンがWi-Fiに対応しているのであれば、無理にLANポートを使う必要はありません。

 

ただし、有線接続と無線接続を比較すると、有線接続の方が、インターネットの速度が速く安定性があるので、用途に応じて有線にするのか無線にするのか選びましょう。

ケンさん

対戦系のゲームとかするのなら有線の方が安定するで!

 

オーディオポート

マザーボード 選び方 バックパネル 4 オーディオポート

オーディオポートは、マイクやイヤホン、ヘッドセットなどを接続するためのポートです。

 

PS/2コネクタ

マザーボード 選び方 バックパネル 5 PS2ポート

PS/2コネクタは、マウスやキーボードといった入力デバイスを接続するためのものです。

通常は、マウス用のコネクタは緑色、キーボード用のコネクタは紫色で、両方の色の場合はどちらも使うことができます。

現在はUSBポートで接続することが多いため、最近はあまり使いません。

 

マザーボードの機能

マザーボードには、マザーボードには他のパーツを接続するためのスロットだけではなく、機能も色々と実装されています。

 

無線LANモジュール

Wi-FiやBluetooth機能が組み込まれたマザーボードです。

 

基本的にWi-FiとBluetooth機能はセットになっています。

片方のみというのは見かけたことがないですね。

 

有線LANにすると、ルーターからパソコンまでLANケーブルを引っ張ってくる必要がありますが、この作業が結構面倒です。

そのため、高速なインターネット環境や安定性がそこまで必要のない用途であれば、初期の設置作業のことを考えるとWi-Fiはいいと思います。

 

他にも無線LANモジュールの拡張ボードで対応させることもできますが、マザーボード自体にも無線LANモジュールが付いているものもあるので、自分にあった方を選びましょう。

 

RAID機能

RAID機能は、複数のストレージを組み合わせて、データの冗長性、パフォーマンス、またはその両方を向上させるための技術です。

データを2つ以上のストレージに書き込む(ミラーリング)ことでデータの冗長性を向上させたり、データを複数のストレージに分割して保存する(ストライピング)ことでデータの読み書き速度を向上させたりします。

 

また、ミラーリングとストライピングの両方を使うことで、データの冗長性とデータの読み書き速度の両方を向上させる方法もありますが、用意しないといけないストレージの台数が多くなります。

 

データの冗長性とは、データを複数の場所に保存することで、データの安全性を高める方法を指します。

これにより、一部のデータが破損した場合でも、もう片方から復元することができます。

 

バックアップ目的であれば、USBメモリやオンラインストレージなどに保存する方法が一般的ですが、それ以外にもRAID機能のミラーリングでもバックアップができます。

 

BIOSフラッシュバック

マザーボード 選び方 機能 1 BIOSブラッシュバック

BIOSフラッシュバックは、ユーザーがBIOSまたはファームウェアを直接更新することができる機能です。

 

CPUが既存のBIOSバージョンと互換性がない場合、システムが起動しないことがあります。

しかし、BIOSフラッシュバックを使えば、CPUを取り外した状態でBIOSを更新し、新しいCPUをサポートすることができます。

 

また、BIOSの更新中に問題が発生したり、何らかの理由でBIOSが損傷した場合、通常の方法ではBIOSを修復することができないことがあります。

BIOSフラッシュバック機能は、このような状況でBIOSを回復する手段としても使用できます。

 

マザーボードのフェーズ

マザーボード 選び方 機能 2 フェーズ

マザーボードのフェーズは、電力を安定して供給するための重要な部品です。

フェーズ数が多いほど、CPUやその他のパーツに対してより細かく電力を調整でき、結果としてオーバークロック時の安定性や耐久性が向上します。

 

しかし、一般的な使用においてはフェーズ数が非常に多いマザーボードを選ぶ必要はありません。

フェーズ数が多いマザーボードは高いので、基本的な作業やゲームなどの用途では、特にフェーズ数は気にしなくてもOKです。

 

 

自作PCのマザーボードの選び方【性能面】

ここではマザーボードの性能面・機能面に注目して選び方を解説していきます。

それでは、これらのポイントについて詳しく解説していきましょう。

 

選んだPCパーツが搭載できること

まず大前提として、マザーボードを選ぶ際には、他のPCパーツを搭載できる規格や数を満たしていることが重要です。

規格については、CPUやCPUクーラーのソケット形状、メモリ規格、PCケースの対応マザーボードなどです。

また、数に関しては、メモリスロット数やM.2スロット、SATAコネクタ数などです。

 

これらを満たしていないと、そもそもパーツが搭載できず組み立てられなかったり、スロット数が足りず全てのパーツを搭載できなかったりするので注意しましょう。

自作PCを組む目的に合わせて、必要なパーツをすべて搭載できるかどうかを確認しましょう。

 

拡張性の高さ

メモリ枚数やストレージ台数などを段階的にアップグレードしたい場合は、拡張性も重要なポイントです。

 

マザーボードにおける拡張性とは、パソコンに追加のパーツを組み込むことができる能力を指します。

つまり、色々なパーツを数多く搭載できるマザーボードであれば拡張性は高く、逆に搭載できる数が少ない場合は拡張性が低くなります。

メモリ、M.2、PCIExpressのスロット数、SATAコネクタ数など増設する際に必要になってくるものですね。

 

例えば、動画編集で自作PCを組みたい場合は、メインに1TBのNVMe SSDをM.2スロットに搭載したとします。

しかし、実際に動画編集をしてみないことには、どのくらいのペースでストレージが埋まっていくか分からないので、1TBでは足りないかもしれません。

予め増設するかもしれないことも考えて、M.2スロットが2,3つある拡張性の高いマザーボードを選んでおくこともできます。

 

このように、使用用途に対して大体の性能は満たしてはいるものの、より色々な状況に対応できるようにある程度の拡張性(=余分なスロット数)を持っておくことも大切です。

 

 

自作PCのマザーボードの選び方【互換性 / 重要】

ここではマザーボードの互換性に注目して選び方を解説していきます。

互換性に適しないマザーボードを選んでしまうと、ソケット形状やメモリスロットが合わず、組み立てられないので絶対に確認しておきましょう。

 

マザーボードの基本知識で軽く触れた部分もありますが、これらのポイントについて詳しく解説していきましょう。

 

PCケースの対応マザーボード規格

マザーボードには、ATX、Micro-ATX、Mini-ITXなどの規格がありますが、規格毎に物理的なサイズが異なります。

最終的にはPCケースにマザーボード含め全てのパーツを収めることになるので、PCケースに対応するマザーボード規格を見ておく必要があります。

 

PCケースの対応マザーボード規格は、大きめのPCケースであれば、ATXやMicro-ATX、Mini-ITXといった複数の規格に対応しているのが一般的です。

一方で、小型のPCケースの場合は、Mini-ITXのみにしか対応していないこともあります。

 

小型のPCケースになるとマザーボードの選択肢が狭まるだけでなく、CPUクーラーの高さ、GPUの長さも制限を受けることが多いです。

基本的に、CPUが高性能であるほど大きめのCPUクーラー、長いGPUになってくるので、冷却性能の低めなCPUクーラー(=高性能なCPUは難しい)、ミドルレンジのGPUぐらいまでしか搭載することができないかもしれません。

 

また、狭いので作業もしづらいため、そういったデメリットを踏まえても小型PCケースにしたいのかを考えておきましょう。

 

マザーボード・CPU・CPUクーラーのソケット形状

マザーボードを選ぶ際には、CPUとCPUクーラーのソケット形状に合わせる必要があります。

もし異なるソケット形状のCPUやCPUクーラーを選んでしまうと、物理的に形状が異なるので取り付けることができなくなってしまいます。

 

また、CPUとマザーボードのソケット形状は、1つのみに対応していますが、CPUクーラーについては、付属のマウンタを使うことによって複数のソケット形状に対応していることがほとんどです。

例えば、”Intel:LGA2066 / LGA2011-3 / LGA2011 / LGA1700 / LGA1200 / LGA1151 / LGA1150 / LGA1155、AMD:AM5 / AM4″という感じで幅広く対応しています。

 

メモリ規格・スロット数・最大容量

メモリスロットの規格とスロット数、最大容量はマザーボードを選ぶ上で重要です。

最大容量に関しては一般的なパーツ構成であれば超えることはないので、あまり意識しなくても大丈夫です。

 

しかし、規格とスロット数を間違えてしまうと、組み立てることができなかったり、購入したメモリ全てを搭載することができなかったりするので注意しましょう。

 

メモリの規格にはDDR4やDDR5などがあり、マザーボードが対応しているメモリ規格を確認することが不可欠です。

規格が異なるメモリは互換性がないため、マザーボードとメモリの規格を合わせる必要があります。

≫ 関連記事:自作PCのメモリ規格、モジュール規格、速度規格の3つ解説!最近の主流規格についても!

 

スロット数は、マザーボードに取り付けることができるメモリの枚数を指し、一般的には、2, 4スロットが多いですね。

多くのスロットがあれば、将来的にメモリを増設する際の柔軟性が高まります。

 

例えば、最初は8GBのメモリ2枚で16GBで組んだとして、後でさらにメモリを増設したい場合、4つのスロットがあるマザーボードならば追加でメモリを購入して取り付けることができます。

しかし、2つしかスロットがない場合は、既存のメモリを取り外して新しいメモリに交換する必要がありますし、既存のメモリも使えないので容量もフルに活用することができなくなります。

このように、メモリスロットの数は将来の拡張性に直結するため、自作PCの用途や将来のアップグレード計画を考慮して選ぶことが大切です。

 

M.2 SSDの規格とスロット数

NVMe SSDを搭載する場合は、M.2スロットの規格(サイズ / 接続端子 / PCI Expressのバージョン)とスロット数を確認する必要があります。

 

M.2は、SSDの形状と接続インターフェースの規格を指し、主に2280(22mm幅×80mm長)が一般的ですが、2242、2260、22110などのサイズも存在します。

ノートパソコンでは短いタイプが使われることが多いですが、デスクトップパソコンの場合ではほとんど80mm長の2280が使われます。

マザーボード側は、複数のサイズに対応していることが多く、ほとんどの場合で2280にも対応しています。

 

また、接続端子には、Mキー、Bキー、B+Mキーがあり、NVMe SSDでは、Mキーが使われることが多いです。

マザーボード側もNVMe SSDを搭載することが前提になっているところもあり、ほとんどのM.2スロットがMキーに対応しています。

キーによって、切り欠き位置が違うため、これを間違えてしまうとスロットに差し込めず、組み立てることができないので注意しましょう。

 

PCI Expressのバージョンには、3.0, 4.0, 5.0に対応していることが多く、主に違いとしてはデータ転送速度です。

製品によっても違いますが、大体の読み込み速度は次の通りです。

  • PCIe 3.0:約2,000~3,500MB/s
  • PCIe 4.0:約5,000~7,500MB/s
  • PCIe 5.0:約9,500~12,000MB/s
  • SATA SSD:約550MB/s

この速度を最大限活かすためには、NVMe SSDとマザーボードのM.2スロットのPCI Expressのバージョンを合わせる必要があります。

互換性はあるので、もし、バージョンが異なっても動作はしますが、遅い方に合わせて動作するので注意しましょう。

 

あとは、搭載するNVMe SSDの枚数に対して、M.2スロット数が足りているかをチェックしましょう。

 

SATA SSD、HDDのSATAコネクタ数とベイ数

SATA SSDとHDDを搭載する場合は、その台数分のSATAコネクタが必要になるので、マザーボード側のSATAコネクタがいくつあるか確認しておきます。

 

SATAコネクタ数は、4, 6つが一般的ですが、小型のマザーボードでは2つ、多いマザーボードでは8つ、サーバー向けであれば、10, 12, 14とかなり多いです。

最近のメジャーな構成であれば、NVMe SSDが1つで、もう一つ搭載したとしてSATA SSD or HDDぐらいなので、1,2つのSATAコネクタがあれば必要十分ですね。

 

色々なゲームをインストールしたい方や頻繁に動画編集をするような方であれば、将来的にストレージを増設する可能性を考慮して、余分にSATAコネクタがあるマザーボードを選択するのもいいでしょう。

 

また、マザーボードとは関係ないですが、台数分のSATA電源コネクタ(電源ユニット)、台数分の2.5インチベイ、3.5インチベイ(PCケース)もあわせて確認しておきましょう。

 

グラフィックボード搭載時はPCI Expressスロット

グラフィックボードを搭載する場合は、マザーボードのPCI Expressのスロットの形状やバージョンを確認する必要があります。

まず、形状についてですが、PCI Expressには、x16, x8, x4, x1の4つの形状があり、見た目上の話で言うと、スロットの長さが違います。

使用には、”PCI Express x16″, “PCIe x16″といった感じで記載されています。

 

ちなみに、このPCI Expressスロットは、短いものであればそのまま挿すことができます。

例えば、PCI Express x16スロットには、x8, x4, x1の拡張カードを挿すことができます。

 

最近のグラフィックボードでは、ほとんどの場合、PCI Express x16に対応しているので、マザーボード側のPCI Expressスロットにもx16があるか確認しましょう。

ケンさん

ほとんど付いていると思うから大丈夫やで!

 

また、PCI Expressのバージョンには、4.0, 5.0, 6.0などがあります。

これらは下位互換性があるため、新しいバージョンのスロットでも古いバージョンのグラフィックボードを使用することができます。

しかし、最大の性能を引き出すためには、グラフィックボードとマザーボードのPCI Expressバージョンを合わせることが望ましいです。

 

 

まとめ:最低限、選んだPCパーツを搭載できる規格・スロット数のものを選ぼう!

マザーボードは、コンピュータの中心となる基板であり、CPUやメモリ、拡張カードなどの重要な部品を接続するためのパーツです。

 

色々なスロットがありますが、規格や形状など他のパーツとの互換性を間違えないようにしましょう。

ケンさん

間違えてしまったら組み立てられへんし、パーツを買い直さなあかんから大変やで…

 

また、選んだパーツを全て搭載できるように、スロット数も確認しておく必要があります。

 

再度、マザーボードの選び方をまとめておきます。

マザーボードの選び方のポイント
  • 他のPCパーツが搭載できる規格・数にする
  • 増設予定があるなら拡張性の高いものを選ぶ
  • PCケースの対応マザーボード規格を合わせる
  • CPU・CPUクーラーのソケット形状を合わせる
  • メモリ規格・枚数・最大容量に合わせる
  • M.2 SSDの規格とスロット数を合わせる
  • SATA SSD, HDDのコネクタ数を合わせる
  • GPU搭載時はPCI Expressのスロットを合わせる

マザーボードは、CPUやGPUのような処理性能ではなく、互換性を中心に見ていきます。

何度も言いますが、この互換性を間違えてしまうと組み立てることができなくなるので、パーツが全て確定したら、もう一度全て確認しておくことをおすすめします。

 

買い直しになると本来しなくてもいい余計な出費が増えることになるので、購入前に本当に規格があっているかよく確認しておきましょう。


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