自作PCを組み立てる際に静電気が起きてしまうと故障の原因になることがあるため、しっかりと対策をすることが大切です。
手軽にできる静電気対策としては、金属部分に触れて自分自身を放電させる方法が一般的です。
道具を使った方法であれば、静電気防止手袋、静電気対策パッド、放電バンドなども有効です。
他にも、服装や環境にも気を配ることで静電気の発生を抑えることができます。
これらの対策をすることで自作PCのトラブルを未然に防ぐことができます。
自作PCの静電気対策について、どのように行うのが効果的か詳しく解説します。
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目次
自作PCの静電気対策について
自作PCを組み立てる際には、静電気からデリケートなパーツ、精密部品を守るための対策が必要です。
具体的な対策の前に、まずは、静電気に対する基本的なこととパーツに与える影響などを見ていきましょう。
静電気が発生する仕組み
静電気は、異なる材質の物体が接触して摩擦することで発生します。
物体が互いに摩擦されると、表面の微細な部分が接触し、この接触面で電荷が交換されます。
その後、物体が離れる際には、交換された電荷が各物体に残り、これにより静電気が発生します。
この摩擦による電荷の移動が静電気の原因となります。
人体や衣服とPCパーツが触れ合うことで摩擦が生じて静電気が発生しますが、特にプラスチックや金属、合成繊維などの材質で発生しやすいです。
ケンさん
環境的な要因
静電気の発生は、気温や湿度によっても影響を受けます。
特に乾燥した冬の期間には、空気中の湿度が低く静電気が発生しやすくなります。
ケンさん
逆に湿度が高いと、空気が電荷を効率よく逃がすため静電気は少なくなります。
そのため、冬以外の季節では比較的静電気は発生しづらい環境になります。
静電気が与えるパーツへの影響
静電気によるパーツの故障は、破損が目視できたり、動作せずに故障していたりと分かりやすいものから、中途半端に故障して分かりづらいものまで様々です。
分かりやすい故障は、結局はパーツを買い直す必要があるので良くはありませんが、静電気が原因の故障としては良い方です。
原因がハッキリしていますし、静電気が発生したパーツを中心にパーツが動作するかどうか確認すれば故障したパーツも簡単に特定できます。
しかし、パーツは動作するけど、一部の機能や性能を損なったり、時々不安定になってエラーを引き起こしたりと中途半端な壊れ方をする場合もあるようです。
こういった壊れ方をすると、そもそも故障したことに気づきづらいですし、本当は静電気が原因であるにもかかわらず、それを特定できない場合があります。
使っているOSやアプリの設定が原因で起こるエラーなのか、というように考えられる範囲が多くなるため、原因の特定が難しくなります。
そのため、後々面倒なことにならないようにするためにも静電気対策はかならずやっておきましょう。
静電気対策について
自作PCにおける静電気対策としては、作業前に身体を放電する、服装に注意する、静電気が発生しづらい環境を整える、静電気防止用のグッズを使うなどがあります。
これらの対策をしっかりと行うことで、自作PCの組み立て時における静電気によるトラブルを未然に防ぐことができます。
自作PCの静電気対策方法
静電気から大切なパーツを守るための簡単な対策方法をいくつかご紹介します。
金属部分に触れて放電
金属部分に触れて放電することは、自作PCを組み立てる際の静電気対策の基本です。
静電気はパーツにダメージを与える可能性があるため、作業を始める前には必ず身体に溜まった静電気を放電させることが重要です。
放電する一番簡単な方法は、ドアノブや水道の蛇口などの金属部分に触れることです。
また、PCケースに触れることで放電する方法もありますが、ケースのほとんどがゴム足となっているため、放電効果はあまりないようです。
放電するためには、ケースがアース(接地)されている必要がありますが、ゴムは絶縁体で電気を通しにくいため、アースされているとは言えません。
このため、ゴム製の足のケースは地面との間で電気的に遮断されているため、静電気が地面に逃げないようです。
もし、ケースがゴム足ではないのであれば、ケースの金属部分に触れても放電してもOKです。
このような対策を組み立てる直前にしておくことで、静電気による故障のリスクを減らすことができます。
自作PC組み立て時の服装
服の素材は、綿などの天然繊維を使用した衣服がおすすめです。
ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維は静電気を帯びやすいため、これらの素材の衣服は避けた方が良いです。
また、服装のタイプは、できるだけ体にフィットした服装を選び、服が他の物と擦れることを避けることが重要です。
ゆるやかな服は動きやすく便利ですが、摩擦が増えるため静電気が発生しやすくなります。
ケンさん
また、服がパーツに引っかかって落下してしまったり、繊維がパーツに挟まってショートしたりするリスクも考えられます。
静電気防止手袋
静電気防止手袋は導電性の素材で作られており、人体からの静電気の放電を防ぎます。
これにより、PCの部品が静電気で故障するリスクを大幅に減らすことができます。
導電性とは、電気を通しやすい性質のことを言いますが、電気を通しやすいということは静電気が発生しやすいのでは?と疑問になると思います。
静電気防止手袋の場合、その導電性は静電気の安全な放電を促すように設計されており、手袋の導電性がコントロールされています。
導電性を持つ素材(例えば、導電性繊維を含んだ布地)で作られていますが、この導電性は非常に微弱なため、手袋を通じて静電気がゆっくりと、かつ安全に放電されるように設計されているようです。
これにより、パーツへの突然の大量放電(スパーク)を防ぎ、安全にパーツを取り扱うことができるようになります。
また、手袋は手の汚れや油分がパーツに付着するのを防ぐ役割もあります。
ただし、CPUの取り付け時などの細かいことをしようとすると、手袋のせいで滑りそうになったり、手袋の繊維がパーツに引っかかって扱いづらかったりする場合があります。
私は、自作PCをする際には、できるだけ付けるようにしていますが、やはり扱いづらいことが多いので素手でやることも普通にあります。
金属部分に触れて放電は確実にやっているので、それだけで事足りるといえば事足ります。
そのため、扱いづらいのは嫌だという方であれば素手で組み立ててもいいと思います。
一方で、念のため、より安全に組み立てをしたいから、扱いやすいところだけでも手袋をつけたいという方であれば、準備しておくべきでしょう。
静電気対策シート
このシートも手袋と同様に導電性の素材でできており、人の体からの静電気を安全に逃がす役割があります。
使用方法は簡単で、自作PCの組み立て前にこのシートに触れるだけで、静電気を軽減することができます。
ただ、ちょっと気になるのは、この製品はニオイが強いことですね。
広範囲に漂うことはないですが、製品に鼻を近づけると、癖のあるちょっと強めのニオイを感じます。
何か癖のあるというか、ケミカルチック?なニオイがしますね。
ケンさん
放電バンド・帯電防止バンド
放電・帯電防止バンドは、導電性のある繊維でできたリストバンド、それをアース(接地)するためのワイヤーとクリップで構成されています。
手首にバンドを巻き付けて、伸びているクリップを金属部分に挟むことで静電気対策ができます。
リストバンドを装着している人が静電気を帯びると、ワイヤーを通じて安全にアースへと逃がされます。
これにより、パーツに触れた時に静電気がパーツに直接放電するのを防ぎます。
デメリットとしては、腕から近くの金属部分までワイヤーで繋がることになるので、作業の範囲が狭くなったり、場合によってはワイヤーが邪魔になったりします。
また、放電バンド・帯電防止バンドの注意点としては、肌に直接触れていなければならないため、服の上から装着しないようにしてください。
製品のよっては、ただリストバンドを巻くだけでアースしない製品もありますが、ここで解説している放電・帯電防止バンドではないので注意してください。
アースのない製品については、特に調べてないですし、独自の放電の仕組みがあるかもしれないので、ここでは静電気対策になるとも、ならないとも言及しないでおきます。
できるだけ冬場を避ける
寒い季節は空気が乾燥しやすく、静電気が発生しやすい環境なので、そもそもその季節を避けるのがいいでしょう。
とは言え、組み立てたい時がたまたま冬で、静電気対策をするために春まで待つというのは普通にできないと思います。
そのため、できるだけという感じで冬を避けれればラッキー程度に留めておくのが現実的です。
また、冬場に作業を避けられない場合は、加湿器を使用して室内の湿度を適切に保つことが重要です。
その上で、先ほど解説したドアノブに触れる、静電気対策グッズを利用するなどの対策をして、組み立て作業をしましょう。
まとめ:静電気の故障はかなり面倒なので対策必須!
自作PCを組み立てる際には、静電気による故障を防ぐための対策が非常に重要です。
静電気からPCを守る方法として、静電気防止手袋の使用、静電気対策パッドの利用、作業前に金属部分に触れて体の静電気を放電すること、そして静電気が起きやすい冬場の作業を避けることが挙げられます。
これらの対策をしっかりと行うことで、面倒な静電気による故障を防ぎ、安心してPCを組み立てることができます。
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