LEDライティングは、各PCパーツをLEDで光らせることで、自分だけのオリジナルなデザイン・演出を楽しむことができます。
ライティング自体は性能には影響しませんが、とことん自分好みにカスタマイズできるのが自作PCの魅力なので、デザインや演出も徹底的にこだわっていきましょう。
ただ、LEDライティングをする上で、同期機能やたくさんのコネクタが必要になったりするので、事前に基本的な知識は押さえておきましょう。
- PCパーツ, アクセサリーパーツ, 周辺機器と色々光らせられる
- LEDライティングでオリジナリティの高い自作PCにできる
- 性能には無関係で電気代が微増するので完全にロマンの世界
- LEDライティング用のケーブルが増えるので配線が複雑になる
- コネクタが足りない場合は、ハブやLEDコントローラーを使う
- コネクタを要確認(3ピン 5V ARGB or 4ピン 12V RGB)
PCパーツと通販サイトを選ぶだけで、見積もり、互換性チェック、電源容量計算ができるツールも開発したのでぜひ活用してください。 最大5つの構成を保存できるので色々な構成を試せます。
≫ ツール:自作PCパーツの見積もり・互換性チェックツール
目次
LEDライティングとは?
まずは、LEDライティングについて基本的な知識を押さえておきましょう。
各パーツをLEDで光らせる
各パーツをLEDで光らせることで、自作PCの見た目をガラッと変えることができます。
色やパターンを自由にカスタマイズすることができ、自分だけのオリジナルなPCを作り上げることが可能です。
できるだけ多くのパーツを光らせてピカピカにするも良し、ワンポイントだけで控えめに光らせるのも良しです。
この辺りは好みがわかれるところなので、自分がどういう風にライティングさせたいのか考えましょう。
ケンさん
自分の色を出せる
自作PCでは、ケースを中心に各パーツで個性を出すことができますが、その上でLEDライティングをすることで、ライティングするパーツや色、パターンでさらに自分の個性を表現することができます。
PCパーツにはその時々で流行りがあるので、「みんなこのパーツ使ってるなー…」みたいな時があります。
しかし、ここにLEDライティングを追加すれば、他の人とは違う、あなただけのオリジナリティのある自作PCに仕上げることができます。
例えば、ゲームに合わせて色を変えたり、自分の部屋の色合いに合わせて統一感を出したり、色々な楽しみ方ができますね。
性能には影響しない
自作PCにおけるLEDライティングは、見た目を華やかにするためのものであり、パソコンのパフォーマンスには直接的な影響を与えません。
パソコンは基本的に作業するためのものなので、どうしてもパソコンを選ぶ基準に、性能と価格が入ってきます。
LEDライティングは性能には影響しない上に、ライティングする分、通常のパーツより高くなってきます。
そのため、性能と価格だけで判断した場合はコストパフォーマンスが悪くなるので、自分の使用用途を満たす性能にした上で、予算と相談してLEDパーツを取り入れていくようにしましょう。
電気代が少しだけ増える
自作PCにLEDライティングを追加すると、電気代が少しだけ増えます。
LEDは一般的に低消費電力で知られていますが、複数のLEDパーツや高輝度のLEDを使用すると、その分消費電力が大きくなります。
特に、RGB LEDのように色を変える機能を持つものは、制御回路や追加の電力を必要とするため、消費電力が若干高くなることがあります。
消費電力の目安としては、2,3か所光らせる場合は5Wぐらい、全体を派手にピカピカ光らせる場合は10Wぐらいです。
1kWhあたり31円(※)として、1日8時間パソコンを動作させたときの1か月の電気代を計算すると次のようになります。
10(W)÷ 1000(k)× 8(時間) × 30(日) × 31(円)= 74.4円
パソコンの電気代は、パソコン自体は負荷状況によって違いますが、100~600W(744~4,464円)ぐらいです。
これと比べれば、LEDの消費電力分の価格は大したことはありません。
LEDライティングで自分好みにカスタマイズできることを考えれば、多くのユーザーにとって許容範囲内であることが多いです。
完全にロマン・趣味の世界
自作PCのLEDライティングは、性能に影響しないので、完全にロマン・趣味の世界です。
パソコンは作業するためのものなので性能が重要視され、それ以外の部分は予算に余裕のある場合でないとあまり見向きはしないでしょう。
作業を効率的に処理するための道具としては、ライティング自体は本来全く必要のないものなので、そういう意味でロマンや趣味の世界です。
自作PCでは、既製品の購入とは全然違い、全てのパーツをとことんこだわることができるので、予算と相談して徹底的にロマンを追求していきましょう。
LEDのPCパーツは配線が複雑になる
LEDのPCパーツは、見た目を美しくするために人気がありますが、配線が複雑になることがあります。
これは、LEDパーツにはパーツへの電源供給用のケーブルだけでなく、ライティング用のケーブルも必要なためです。
これにより、接続しなければいけないケーブルが格段に増え、配線や整理が難しくなります。
対策としては、まず計画的な配線が重要です。
最初にどのパーツをどこに配置するか計画し、ケーブルの長さや接続先を把握することで、無駄な配線を避けることができます。
また、ケーブルマネジメントツールを活用することも有効です。
結束バンドやマジックテープ、ケーブルガイドなどを使ってケーブルをまとめて整理することで、見た目もスッキリしますし、エアフローの妨げにもなりません。
LEDのPCパーツを選ぶ際には、配線のしやすさも重要です。
最近では、PCケースファンや水冷式CPUクーラーのファンなどを連結させることで、ライティング用のケーブルを1つにまとめられる製品もあります。
通常であれば、3つのファンを搭載する際には、電源供給用とライティング用の合計6本のケーブルが必要ですが、連結機能のあるファンを使うことで、電源供給用とライティング用の2本のケーブルのみで済みます。(場合によっては1本のケーブルで済む場合もあります。)
コネクタが足りない場合はハブを使う
LEDパーツを取り付ける際にコネクタが足りないことがありますが、その場合は、ハブを使いましょう。
ハブは、複数のLEDパーツを一つのコネクタにまとめて接続するためのアクセサリーパーツです。
これにより、ライティング用のコネクタが不足している場合でも、複数のLEDパーツを同時に使うことができます。
他にもハブを使うメリットがいくつかあります。
- 配線が一箇所に集まり、ケース内が整理される
- ケーブルが散らばらず、見た目がスッキリする
- 複数のケーブルを一つのハブにまとめるので接続が簡単になる
ハブを選ぶ際には、接続するLEDパーツの数やタイプに対応しているかを確認することが重要です。
LEDライティングの設定
次に、LEDライティングの設定について解説します。
LEDライティングのやり方
LEDライティングをするためには、次の2つが必要です。
- ハードウェア制御(LEDに対応したパーツの用意)
- ソフトウェア制御(色やパターンなどの詳細な設定)
ハードウェア制御
まず、LEDライティングをするためには、LEDライティングに対応したパーツとマザーボードや専用のLEDコントローラーが必要です。
LEDライティングに対応したパーツには、PCパーツ、アクセサリーパーツ、周辺機器など様々で、詳細は後程解説します。
マザーボードの汎用RGBヘッダーのコネクタ(3ピン5V ARGB、または、4ピン12V RGB)とLEDパーツのコネクタが対応しているかも確認しておきましょう。
左が4ピン12V RGB、右が3ピン5V ARGBです。
マザーボードには複数コネクタがありますが、たくさんLEDパーツを搭載する場合は不足するので、ハブやLEDコントローラーを用意しましょう。
これらのハードウェアのみでも基本的なLEDライティングは可能です。
多くのLEDパーツには、そのパーツ自体にプリセットのライティングパターンが設定されているので、接続するだけで使えます。
しかし、LEDパーツのプリセットのままだと、LEDパーツ毎にバラバラの色、パターンで無秩序に光るので、オシャレとは言えません。
LEDライティングでやりたいことはそんなことではないと思います。
そこで必要となってくるのが、LEDパーツの色やパターンを制御するためのソフトウェアです。
ソフトウェア制御
多くのマザーボードメーカーでは、専用のライティング制御ソフトウェアを提供しています。
メーカー名 | アイコン | 名称 |
---|---|---|
ASUS | Aura Sync | |
ASRock | Polychrome RGB | |
MSI | Mystic Light | |
GIGABYTE | RGB Fusion |
これらのソフトウェアを使うことで、LEDの色や点灯パターン、明るさなどを細かく調整することができます。
ただし、LEDパーツ側がメーカーのソフトウェアに対応しているか、汎用RGBヘッダーに接続できるパーツである必要があります。
例えば、ASUSのマザーボードを使う場合は、ASUS Aura Syncを使うことになりますが、LEDのファンやその他のLEDパーツがASUS Aura Syncに対応しているか、マザーボード側が3ピン5V ARGBに対応しているのであれば、LEDパーツもこれに対応している必要があります。
このように、ハードウェアとソフトウェアの両方を用意することで、自作PCのLEDライティングを自由にカスタマイズすることができます。
LEDの同期機能
LEDの同期機能は、自作PCのLEDライティングを一括して制御するための機能です。
これにより、PCケース内の各種LEDデバイスを統一感のある光り方に設定することができます。
例えば、マザーボードやグラフィックカード、メモリ、さらにはファンやストリップライトなど、複数のLEDデバイスが一斉に同じ色やパターンで光るように調整できます。
ソフトウェアでは、ライティングの色やパターンなど決めると言いましたが、例えば、全てのLEDパーツを点滅させたい場合は、これまた無秩序に点滅します。
イメージとしては、全てのLEDパーツが同時に点滅したいところですが、これがバラバラに点滅されては台無しです。
これを統一感のあるライティングにするように各LEDパーツを同期させる機能が必要です。
主要な同期機能をまとめると次の通りです。
メーカー名 | アイコン | 同期機能の名称 |
---|---|---|
ASUS | Aura Sync | |
ASRock | Polychrome RGB | |
MSI | Mystic Light | |
GIGABYTE | RGB Fusion | |
Corsair | iCUE | |
NZXT | – | CAM |
Thermaltake | TT RGB PLUS | |
Cooler Master | – | MasterPlus+ |
Razer | Chroma RGB | |
EVGA | – | EVGA RGB |
BIOSTAR | RGB Sync |
これらのソフトウェアを使用することで、各メーカーのデバイス間での同期が可能となり、統一感のある美しいライティングを実現できます。
例えば、ASUS Aura Syncを使えば、ASUS製のマザーボードやグラフィックカード、さらには対応するアクセサリーパーツや周辺機器も一括して制御できます。
同様に、RGB FusionはGigabyte製品、Mystic Light SyncはMSI製品、ASRock RGB SyncはASRock製品を中心に同期が可能です。
主要なマザーボードメーカー以外のLEDパーツを使う際は、選んだマザーボードの同期システムに対応しているかを確認しましょう。
製品画像やパッケージに表のアイコンが書かれていれば対応しているということになります。
また、アイコンがない場合でも、汎用RGBヘッダーで接続ピンが同じであれば問題なく利用できます。
これらの同期機能を活用することで、PC全体のライティングを一貫性のあるものにし、より美しい外観を実現することができます。
LEDライティングができるPCパーツ
LEDライティングができるPCパーツについて紹介していきます。
CPUクーラー
CPUクーラーは、主にCPUに取り付けるウォーターブロックとラジエータに付いているファンが光ります。
ファンの交換もできるので、光り方が気に入らなければ別の製品に取り換えることもできます。
そのため、LEDなしのCPUクーラーを買ってきて、LEDのファンに取り換えることで、より自分好みのCPUクーラーにすることも可能です。
メモリ
メモリは、ヒートシンク付きのメモリとヒートシンクが付いていないメモリに分かれますが、このヒートシンクの上の一部がLEDライティングされていることが多いです。
ヒートシンクとは、メモリモジュールの表面を覆うように取り付けられた冷却装置で、主に金属でできています。
このヒートシンクがないメモリは、基盤とチップのみなのでLEDライティング機能はありません。
マザーボード
マザーボードは、ロゴやバックパネル周り、下側のプレートなど一部分がLEDライティングされていることが多いです。
他のパーツと比べてライティングは控えめで、ワンポイントで光るって感じですね。
グラフィックボード
グラフィックボードは、メーカーやブランドのロゴ、ファン、その他の装飾がライティングされていることが多いです。
ただ、グラフィックボードのファンの面は、パソコンに取り付けると下側に来るので、ライティングされている様子を直接見ることはできず、間接照明みたいな感じになります。
一方で、ユーザーから見える位置には、グラフィックボードの上面・裏側がくるので、そこのロゴや装飾などがライティングされるかも見ておきましょう。
もし、ファンの面も見せたい場合は、グラフィックボードを縦置きできるPCケースを選びましょう。
グラフィックボードの縦置きには、PCI Expressと接続するためのライザーケーブルや縦置き用のブラケットが必要な場合があるので、事前に確認しておきましょう。
ストレージ(SSD)
ストレージは、NVMe SSDはヒートシンク部分、SATA SSDは前面がライティングすることが多いですね。
とは言え、ストレージ類はLEDライティングできる製品がめちゃくちゃ少ないので、メーカーや容量、読み書き速度など機能面も自分が欲しいもので、その上LEDライティングできるものとなるとなかなか難しいですね。
電源ユニット
電源ユニットは、主にファンがLEDライティングされており、一部のモデルはコネクタ部分も光ります。
PCケース
PCケースは、PCケース自体と付属しているケースファンがLEDライティングされています。
ケース自体光る場合は、ギラギラ、ピカピカに光るというより、どこかワンポイントで上品にライティングされていることが多いですね。
また、付属ファンが光るモデルは結構多いですが、PCケース自体が光るモデルは比較的少ないです。
PCケースファン
PCケースファンは、基本的にファン自体がLEDライティングされていることが多いです。
その他にも、少数ですが外枠が光る製品もありますね。
LEDライティングができるアクセサリーパーツ
LEDライティングができるアクセサリーパーツについて紹介していきます。
電源ケーブル
電源ケーブルは、元々付属しているケーブルでは長さがたりない場合、デザインの観点からケーブルの色を変えたい場合などに使いますが、ごく一部の製品でLEDライティングされているものもあります。
LEDテープライト/LEDストリップ
LEDテープライト / LEDストリップは、細長い基板に複数のLED(発光ダイオード)が並んで取り付けられている照明デバイスのことです。
これらは柔軟性があり、様々な形状や長さにカットして使用することができるため、多用途で利用されています。
※カットできない製品もあるのでよく確認しておきましょう。
自作PCでは、主にケースないのデコレーションとして使われることが多いです。
外から見えないケースの淵に設置して間接照明のようにPCパーツをライティングしたり、あえて見えるように設置してインパクトのあるライティングをしたりと様々な演出をすることができます。
GPUサポートステイ
GPUサポートステイ(GPUサポートブラケット)とは、グラフィックボードを物理的にサポートし、正しい位置に保持するためのアクセサリーパーツです。
これは特に大きくて重いグラフィックボードに対して使われるものですが、一部の製品でLEDライティングされているものがあります。
ケーブルコーム
ケーブルコームとは、PCの内部配線を整理し、見た目を整えるためのアクセサリーパーツです。
通常、プラスチックや金属製で、電源ケーブルや他の内部ケーブルを束ねて整列させるために使用されるものですが、一部の製品でLEDライティングされているものがあります。
LEDライティングができる周辺機器
LEDライティングができる周辺機器について紹介していきます。
マウス
マウスは、ロゴやワンポイントでLEDライティングされていることが多いです。
最近のゲーミングマウスは、カスタマイズ可能なLEDライティング機能を備えており、ユーザーは自分の好みに合わせて色やパターンを変更できます。
これにより、PC全体のデザインと統一感を持たせることができます。
マウスパッド
マウスパッドにもLEDライティングできる製品があります。
主に、マウスパッドの周囲が光ることが多いですね。
キーボード
キーボードは、キーの下にLEDが埋め込まれており、全体をライティングしてくれます。
専用のソフトウェアから、ライティングパターンや色、明るさなどを細かく調整することができます。
ヘッドセット
ヘッドセットは、主にイヤーカップ辺りにワンポイントでLEDライティングされることが多いです。
まとめ:自分だけの魅せる自作PCを作ろう!
LEDライティングとは何か初歩的なところから、押させておきたい知識、ライティングのやり方、LEDパーツの紹介をしてきました。
実際に自作PCをした時に、どういう感じでLEDライティングをしていけばいいのか、少しイメージして頂けたのではないでしょうか。
改めて、LEDライティングについてまとめておきます。
- PCパーツ, アクセサリーパーツ, 周辺機器と色々光らせられる
- LEDライティングでオリジナリティの高い自作PCにできる
- 性能には無関係で電気代が微増するので完全にロマンの世界
- LEDライティング用のケーブルが増えるので配線が複雑になる
- コネクタが足りない場合は、ハブやLEDコントローラーを使う
- コネクタを要確認(3ピン 5V ARGB or 4ピン 12V RGB)
LEDライティングは、性能には影響せず、電気代も少し増え、パーツ代も高くなってしまうのですが、それ以上に、自分だけのオリジナリティの高い自作PCに仕上げることができます。
自分の好きな色や光り方などを追及して、自分だけのカスタムができるのが自作PCの最大の魅力なので、LEDライティングを通してその魅力を最大限引き出しましょう!
PCパーツと通販サイトを選ぶだけで、見積もり、互換性チェック、電源容量計算ができるツールも開発したのでぜひ活用してください。 最大5つの構成を保存できるので色々な構成を試せます。
≫ ツール:自作PCパーツの見積もり・互換性チェックツール