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GPUファンの役割、種類や最適なファン数について

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GPU

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PCの性能を引き出すうえで欠かせないのがGPUファンです。

高性能なグラフィックボードは処理中に多くの熱を発生させますが、冷却が不十分だとパフォーマンス低下や故障のリスクにつながります。

特に長時間のゲームやクリエイティブ作業を行う方にとって、GPUファンの仕組みや種類、そして最適な選び方を理解しておくことは非常に重要です。

 

本記事では、GPUファンの基本的な役割や種類ごとの特徴、ファン数による違いを解説していきます。

 

この記事の重要なポイント
  • GPUファンはGPUの熱を逃がし、性能低下や故障を防ぐ重要なパーツ
  • GPUは高負荷時に大量の熱を発生させ、専用冷却機構が必須
  • 1基のみのGPUファンは高回転になりやすく、騒音が大きくなる傾向
  • おすすめは2基または3基のファン搭載モデル
  • 実測データではシングルファンはデュアルより4~7dBAほど大きい
  • 静音性と快適性を重視するならデュアルまたはトリプルファンを選択

 

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GPUファンについて

GPUファンの基本的な役割や必要性について順を追って解説していきます。

 

GPUファンとは?

GPUファンは、グラフィックボード(GPU)の冷却を担うファンのことです。

 

GPUは高い処理能力を持つ分、動作中にかなりの熱を発生させます。

そのため、発生した熱を効率よく外へ逃がすことで、GPUの性能を安定して発揮できるようにし、故障やパフォーマンス低下を防ぐ役割があります。

 

GPUファンは基本的にグラフィックボード本体に直接取り付けられており、温度センサーと連動して自動で回転数が調整される仕組みです。

ファンの種類やサイズ、回転数によって冷却性能や動作音が変わってくるので、用途や好みに合わせて選ぶのがポイントです。

 

GPUファンが必要な理由

GPUファンが必要な理由は、GPUが高温になるのを防ぎ、安定した動作を維持するためです。

 

GPUは画像や映像の処理を高速で行うため、消費電力が大きく、その分発熱量も増えます。

そのため、ケースファンやCPUクーラーから発生する内部のエアフローだけでは、この大量の熱を冷却することはできません。

 

基板上に高い密度で配置された演算ユニットを持ち、局所的に非常に高い温度が発生するため、専用の冷却機構が必要となります。

 

GPUファンは2個、3個がおすすめ

GPUには1個から3個までのファンが搭載されるのが一般的です。

 

私は初心者向けにPCの選び方を解説した『パソログ』も運営していますが、その中でメーカーからPCを借りて50台ほどレビューしてきました。

その経験から言うと、おすすめのGPUファン数は2,3個で、1個は静音性の観点から避けた方がいいです。

ケンさん

後で静音性を実際の計測データと共に説明するで!

 

ケースファンやCPUクーラーのファンと比べると、GPUファンはサイズが小さいため、GPUが高温になるとどうしても高回転になりやすいという特徴があります。

また、ケースファンやCPUクーラーのようにファン自体を大きいサイズへカスタマイズすることはできません。

そのため、搭載されているファンの数が冷却性能や静音性に直結します。

 

1基のみのファンを搭載したGPUは、その1つに冷却の負担が集中するため、高温時には高回転で動作せざるを得ず、結果として動作音が大きくなりがちです。

これに対して、2基や3基のファンを備えたGPUは、複数のファンで冷却を分担できるため、1つあたりの回転数を抑えられます。

その結果、静音性が高く、長時間の高負荷環境でも快適に使えるというメリットがあります。

 

静音性や冷却効率のバランスを考えると、GPUは2個または3個のファンを搭載したモデルを選ぶのがおすすめです。

特に長時間のゲームプレイやGPU負荷の高いクリエイティブ作業を行う場合には、複数ファン搭載のモデルがより安心です。

 

 

GPUファン数と冷却性能・静音性について

GPUファン数の冷却性能と静音性について見ていきましょう。

ファンの種類冷却性能静音性主な用途・特徴
シングルファン・冷却性能は控えめ
・小型GPU向け
・ファン回転数が
高くなりやすい
・騒音がやや大きい
・小型PCや省スペース向け
・エントリーモデルに多い
デュアルファン・バランスの良い冷却性能
・ミドルレンジGPUに最適
・静音性と冷却性能の
バランスが良い
・高負荷時でも比較的静か
・一般的な用途に最適
・多くのモデルで採用
トリプルファン・高い冷却性能
・高負荷時も安定
・低回転で静音性が高い
・サイズが大きい分静か
・ハイエンドGPU向け
・大型ケースが必要

ファンの数別にまとめましたが、最終的には製品によって違うので、あくまで傾向と捉えてください。

 

シングルファン

1.シングルファン

シングルファンタイプは、GPUクーラーにファンが1基だけ搭載されているモデルです。

小型PCケースや省スペース環境で扱いやすく、エントリークラスのGPUによく採用されます。

 

ただし、冷却は1つのファンに依存するため冷却性能は低めで、負荷がかかるとファンが高回転になり、動作音が目立ちやすいというデメリットがあります。

そのため、高性能GPUには不向きであり、静音性を重視するならデュアルファン以上のモデルがおすすめです。

 

デュアルファン

デュアルファンタイプは、GPUクーラーに2基のファンを搭載したモデルで、冷却性能と静音性のバランスに優れているのが特徴です。

 

2つのファンで効率的に熱を逃がせるため、1基あたりの回転数を抑えられ、発熱を効果的に処理しながら騒音も低めに保つことができます。

シングルファンより冷却力が高く、トリプルファンほど大きすぎないため、多くのゲーミングPCやクリエイティブ用途で採用される定番構成です。

 

特に、RTX 3060・RTX 4060・RTX 4070 といったミドルレンジGPUでは、冷却効率と静音性のバランスが重要になるため、デュアルファン搭載モデルが非常に多くラインナップされています。

これにより、扱いやすいサイズ感を維持しつつ、十分な冷却を確保できるのが魅力です。

 

トリプルファン

3.トリプルファン

トリプルファンタイプは、GPUクーラーに3基のファンを搭載したモデルで、最も冷却性能に優れているのが特徴です。

 

3つのファンで効率よくヒートシンクに風を送り込めるため、GPUの発熱をしっかり抑えられ、ハイエンドGPUや長時間のゲーム・クリエイティブ用途でも安定した動作を実現します。

また、ファン1つあたりの回転数を抑えられるので、高い冷却力を確保しつつ静音性にも優れる点が魅力です。

 

一方で、ファンが3基あるぶんカード全体のサイズは大きくなりやすく、PCケース内のスペースに余裕が必要となります。

そのため、小型PCよりもミドルタワー以上のケースで使うのが前提となることが多いです。

 

冷却性能と静音性をどちらも重視したい方や、RTX 4080・RTX 4090 などのハイエンドGPUを選ぶ場合にはトリプルファンが最適な選択肢といえるでしょう。

 

GPUファン数別の静音性ベンチマーク

私が過去にパソコンをメーカーから借りてレビューしたデータを元にシングルファンとデュアルファンの静音性を見ていきましょう。

 

まず、前提としてGPUのファン数以外全く同じパーツ構成、GPU仕様というわけではないので、純粋にGPUのファン数の違いによるものではありませんので、大体こういう傾向がある程度に考えてください。

 

結論としては、シングルファンはデュアルファンと比べて、4~7dBAほど高くなります。

 

 GPUファン数GPUファン数
GPU ファン数デュアルファンシングルファンシングルファン
CPUAMD Ryzen 7 5700XIntel Core i7-14700FIntel Core i5-13400F
GPUGeForce RTX 4060 TiGeForce RTX 4060 TiGeForce RTX 4060
CPU騒音レベル
(Cinebench)

32.9 dBA
benchmark_silent_cpu
35.1 dBA
benchmark_silent_cpu
35.8 dBA
GPU騒音レベル
(FF15/高品質)

36.4 dBA
benchmark_silent_game
40 dBA
benchmark_silent_game
43.4 dBA

 

1つ目がデュアルファンで他2つがシングルファンです。

GPU騒音レベルを見ると、デュアルファンが一番低く30台半ば、それ以外は40台前半で4~7dBAほど高いです。

 

実際に騒音を聞くと36.4dBAは静かで気になるレベルではありませんでした。

40dBA, 43.4dBAも静かなレベルなので騒音とまでは言えませんが、少しファンの音が大きくなったかなという感じです。

 

また、シングルファンのGPUの中には、まれに50dBAぐらいの爆音(フオオオォォォォォーーーーンって感じ)になるものもありました。

そのため、個人的にはシングルファンの静音性は少し不安定さがあるのかなという印象があります。

 

パソコンの騒音の原因にはCPUクーラー、GPUファン、PCケースファン、電源ユニットのファンがありますが、計測自体はパソコン全体の騒音を計測しています。

GPUファン以外に騒音が大きくなるのはCPUクーラーですが、CPUクーラーのファンではなくGPUファンが原因で騒音レベルが高くなっていることを示すためにCPU騒音レベルも掲載しています。

CPU使用率が100%の時の騒音レベルが32~35dBAなので、CPUによる騒音レベルへの影響は小さいことが分かります。

 

また、PCケースファンや電源ユニットのファンは大した騒音ではないので、GPU騒音レベルが高くなった原因はゲーム時のGPU高負荷によるファン回転数上昇によるものと言えます。

 

騒音レベルの目安

デシベル(dBA)目安①目安②具体例
70うるさいかなりうるさい、かなり大きな声を
出さないと会話ができない
・騒々しい街頭
・セミの鳴き声 (2m)
60非常に大きく聞こえうるさい、
声を大きくすれば会話ができる
・普通の会話
・洗濯機、掃除機、テレビ
50普通大きく聞こえる、通常の会話は可能・家庭用クーラー (室外機)
・換気扇 (1m)
40聞こえる会話には支障なし・静かな住宅地
・図書館
30静か非常に小さく聞こえる・郊外の深夜
・ささやき声
20ほとんど聞こえない・ささやき
・木の葉のふれあう音

 

 

まとめ:GPUファンは2,3個のモデルがおすすめ!

GPUファンの役割や種類ごとの特徴、特にファンの数による冷却性能や静音性の違いについてまとめていきます。

 

改めて重要なポイントをまとめておきます。

この記事の重要なポイント
  • GPUファンはGPUの熱を逃がし、性能低下や故障を防ぐ重要なパーツ
  • GPUは高負荷時に大量の熱を発生させ、専用冷却機構が必須
  • 1基のみのGPUファンは高回転になりやすく、騒音が大きくなる傾向
  • おすすめは2基または3基のファン搭載モデル
  • 実測データではシングルファンはデュアルより4~7dBAほど大きい
  • 静音性と快適性を重視するならデュアルまたはトリプルファンを選択

 

GPUファンは、GPUの性能を安定させるために欠かせない冷却パーツです。

特に静音性や冷却効率の面から考えると、1基のみのシングルファンモデルはどうしても不利で、長時間のゲームや高負荷作業では騒音や熱のリスクが高まります。

その点、2基または3基のファンを搭載したモデルは、冷却を分散できるため効率的で、静音性も高く快適に使用できます。

省スペース重視ならシングルファンも選択肢になりますが、総合的なバランスを考えると、デュアルファンやトリプルファンのGPUが安心かつおすすめです。


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