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電源ユニットの向き・設置場所について【自作PC】

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電源ユニット

自作PCを組み立てる際、電源ユニットの向きと設置場所は、パフォーマンスや安定性に関係してきます。

 

最近のケースでは、電源ユニットをケースの下部に設置し、ファンの向きを下側にするのが主流です。

しかし、一部のケースでは上部に設置できたり、ファンの向きをケース内に向けることもできるので、その違いを解説していきます。

 

この記事の重要なポイント
  • 向きは、ファンを外側に向ける場合とファンを内側に向ける場合がある。
  • 設置場所は、ケースの下部の場合と上部の場合がある。
  • 最近の主流は、ケース下部にファンを外側に向けて設置する。
  • 向きと設置場所はPCケースで決まり、好き勝手にできるわけではない。

 

 

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電源ユニットの向き・設置場所について

まずは、電源ユニットの向き・設置場所について基本的な知識を押させておきましょう。

 

電源ユニットの向き

電源ユニットの向きには、ファンを外側に向ける場合とファンを内側に向ける場合の2つがあります。

最近の主流では、ファンは外側に向けるのが一般的です。

 

ファンを外側に向ける場合

ファンを外側に向ける設置方法は、電源ユニットのファンをケースの外側に向けて外側から空気を取り込みます。

 

後述しますが、電源ユニットはケースの下部、または、上部に設置します。

そのため、ケース下部に設置するのであればファンを下に向けて、上部に設置するのであればファンを上に向けることになります。

 

電源ユニットが常に外気を吸い込むため、ケース内の熱に影響されにくく、安定した動作を維持しやすいです。

ケース内部ではCPUやGPUなど発熱するパーツが多々ありますが、ファンを外側に向ければケース内のエアフローは遮断されます。

 

特に、高負荷になりがちなゲーム用途やクリエイティブな用途であれば、それだけケース内の温度が高くなるので、電源ユニットのファンを外側に向けて設置する方が良いですね。

 

また、温度が高くなる状態が続いてしまうと電源ユニットの寿命が短くなる可能性もあります。

電源ユニットの寿命を左右する大きな要因は、内部のコンデンサ(電気を蓄える部品)の寿命ですが、この部品は温度に敏感です。

そのため、ファンを内側に向けるより、外側に向けた方が内部の温度を下げやすくなり、コンデンサの負担を軽減することができます。

 

コンデンサは、温度が高くなるとその寿命が加速度的に短くなります。

具体的には、コンデンサの温度が10℃上がるごとに寿命が半分に、10℃下がるごとに寿命が倍になる(アレニウスの法則)と言われています。

このため、電源ユニット内部の温度管理が悪いと短期間でコンデンサが劣化し、電源全体の安定性や寿命に影響を与えることになります。

 

一方で、もし自作PCを床に置く場合は、ホコリを吸い込みやすくなってしまいます。

そのため、PCケースの電源ユニットのファンの部分にフィルターが付いているか確認しておきましょう。

 

とは言え、ホコリの侵入はある程度軽減できますが、フィルター掃除の頻度は比較的高くなると思います。

ケンさん

2,3か月に1回ぐらいは掃除しておきたいな

ただ、デスク上に置くのであればホコリの吸い込みは少なくなります。

 

自作PCの掃除方法や置き方についても解説しています。

≫ 関連記事:自作PCの掃除方法と必要な道具を徹底解説【写真付き】

≫ 関連記事:ケースの置き場所・置き方について解説

 

ファンを内側に向ける場合

ファンを外側に向ける設置方法は、電源ユニットのファンをケースの内側に向けてケース内から空気を取り込みます。

 

自作PCを床に置く場合でもケースの内部から吸気をするのでホコリの侵入は少なくなります。

 

一方で、ケース内の温かい空気を吸い込むため、電源ユニットの冷却性能が下がる可能性があります。

特に、CPUやGPUが高負荷になってケース内の温度が上昇してしまうと電源ユニットにも影響があるかもしれません。

 

また、ケース内の温度が高いと冷却性能を維持するためにファンの回転数を上げることになります。

これにより、電源ユニットのファンの回転数が上がり騒音が大きくなる可能性があります。

 

ただし、その場合は、CPU・GPUも高負荷になっているはずなので、そちらのファンの方が音は大きくなると思います。

 

電源ユニットの設置場所

電源ユニットの設置場所には、ケースの上部の場合と下部の場合の2通りがあります。

最近の主流では、電源ユニットはケース下部に取り付けるのが一般的です。

 

電源ユニットは比較的重いパーツなので、ケース内の下部に搭載することで自作PC全体の重心が低くなるため、物理的な安定性が増します。

 

普段に使う分には重心は何も関係ないのですが、地震が起きた際などに、重心が低い方がグラつきが抑えられ、転倒リスクを軽減することができます。

また、自分が移動した時に不意にぶつかってしまったり、荷物を運んでいる時に引っ掛けてしまったりする可能性もあります。

 

どちらも滅多にあることではないですが、だからと言って1台2,30万円するもので、何かあった時のリスクを考えないのは良くありません。

 

向きと設置場所はそれに対応するPCケースが必要

電源ユニットの向きや設置場所を選ぶ際には、それに対応したPCケースが必要です。

どのPCケースでも自分の好き勝手に設置できるわけではありませんので、PCケースをよく確認した上で決める必要があります。

 

製品仕様には向きも設置場所も書かれていないので、ギャラリーなどから電源ユニットのスペースがどのあたりかを見たり、そのスペースの周りに吸気口の穴があるかどうかで向きがどうなっているかを確認する必要があります。

 

基本的には電源ユニットの向きはPCケース毎に決まっていますが、まれに両方に対応したものもあります。

 

ATX電源の場合、ネジ穴が非対称に設計されているため、逆向きに取り付けることはできません。

しかし、PCケースの設計によっては、ネジ穴の部分が取り外し可能なフレームになっていて、それを逆さまにすることで電源ユニットの非対称のネジ穴に合わせるということができるものもあります。

 

一方、SFX電源はネジ穴が対称に配置されているため、逆向きでも取り付けることができるはずです。

したがって、電源ユニットの向きを決める際には、使用するPCケースの仕様や設計を確認することが重要です。

 

 

電源ユニットの向きの具体例・特徴

電源ユニットを搭載するには、向きだけではなく設置場所も関わってきます。

向きはファンを外側にするか内側にするかの2通り、設置場所はPCケースの下部と上部の2通りがあるので、計4パターンあります。

それぞれの設置方法について特徴などを解説していきます。

 

下部設置 + ファン外側

電源ユニットをケースの下部に設置し、ファンを下向きにして外側から空気を取り込む設置方法です。

最も一般的な設置方法で、意図して他のものを選ばなければ大体このパターンになると思います。

 

この設置方法では、電源ユニットのファンがケース外部から新鮮な空気を取り込み、内部の熱を効果的に排出するので効率的な冷却ができます。

これにより、電源ユニット自体の温度が低く保たれ、長寿命化が期待できますし、ケース内のエアフローが直接電源ユニットに影響しないため、安定したパフォーマンスが期待できます。

 

また、電源ユニットは比較的重いパーツなので、下部に設置することで重心が低くなり、ケース全体の安定性が向上します。

 

一方で、自作PCを床やカーペットに置いている場合はホコリが多いので、それに伴ってホコリも吸い込みやすくなります。

大抵の場合、PCケースにはフィルターが付いていますが、床置きを考えている方はフィルターが付いているかを確認しておきましょう。

 

デスク上に置く場合は、ホコリも少ないのでそれほど吸い込むことはありませんが、それでもフィルターは付けておきましょう。

また、カーペットなどに置く場合、通気性が悪くなる可能性があるので置く場所には注意しましょう。

 

フィルターがあることで電源ユニット内部へのホコリは最小限にとどめることができますが、定期的なフィルター掃除が必要です。

どの設置方法も定期的な掃除は必要ですが、ホコリの溜まり具合は早くなるので頻度は少し高くなります。

 

また、フィルターを定期的に掃除しないと騒音が大きくなる可能性があります。

電源ユニットは温度に応じてファンの回転数を変えることができる製品がほとんどです。

そのため、ホコリによって冷却性能が低下して温度が下がらないと電源ユニットはより冷却性能を高めようとファンの回転数を上げます。

 

下部設置+ ファン内側

電源ユニットを下部に設置し、ファンを内側(上向き)にして内部の空気を吸い込む設置方法です。

 

この配置方法では、電源ユニットのファンがケース内部の空気を吸い込み、電源ユニット内の熱を外部に排出します。

これにより、ホコリの吸い込みが少なくなるので、掃除の頻度が少なくて済みます。

とは言え、ケース内部にもホコリはあるためゼロになるわけではありません。

 

一方で、ケース内の温かい空気を吸い込むため、電源ユニットの冷却性能が下がる可能性があります。

特に、CPUやGPUが高負荷になってケース内の温度が上昇してしまうと電源ユニットにも影響があるかもしれません。

 

また、ケース内全体のエアフローの妨げになる可能性もあるので、CPUやGPUの冷却にも影響を与えてしまう可能性があります。

 

ケース内の空気を取り込むため、その温度が高いと冷却性能を維持するためにファンの回転数を上げることになります。

これによって、電源ユニットのファンの回転数が上がり騒音が大きくなる可能性があります。

ただし、CPU・GPUが高負荷になっているので、そちらのファンの方が音は大きいと思います。

 

「下部設置 + ファン外側」と比較すると、冷却性能とホコリの溜まり具合がトレードオフなので、どっちを優先したいかという話になってきます。

ホコリの溜まり具合が少ないのは魅力的ではありますが、それで冷却性能が落ちる可能性があるのは、私としてはデメリットが大きいように感じます。

 

もし、ホコリを気にするのであれば、「下部設置 + ファン外側」にして、デスク上に置けばかなり軽減できるので、冷却性能も維持できてホコリも軽減できるという良いとこ取りにすればいいかなと思います。

 

上部設置 + ファン外側

電源ユニットをケースの上部に設置し、ファンを外側(上向き)にして外側から空気を取り込む設置方法です。

そもそも電源ユニットを上部に置けるPCケースが少ないので主流な方法ではありません。

 

この設置方法では、電源ユニットのファンがケース外部から新鮮な空気を取り込み、内部の熱を効果的に排出するので効率的な冷却ができます。

これにより、電源ユニット自体の温度が低く保たれ、長寿命化が期待できます。

 

また、ケース内のエアフローが直接電源ユニットに影響しないため、安定したパフォーマンスが期待できます。

この点は「下部設置 + ファン外側」と同じですね。

 

ホコリに関しても上部から空気を取り込むので、下部と比べて溜まりにくくなります。

 

一方で、上部に設置する方法は電源ユニット以外のケース内部のエアフローに悪影響を与えます。

熱は上に上がる性質があるため、現在のケースデザインでは、前面から取り込んだ空気を背面と上部から排出するエアフローが一般的です。

 

そのため、電源ユニットを上部に配置するケースでは、CPUやGPUなどの熱を上部から排出するためのファンを搭載できません。

大抵の場合、背面には1つしかファンが取り付けられないので、排気が弱くなることで冷却性能が下がる可能性があります。

 

また、電源ユニットは比較的重いパーツであり、上部に配置するとケース全体の重心が高くなり、倒れやすくなるリスクがあります。

特に大型の電源ユニットの場合、上部に設置することでバランスが悪くなることがあります。

普段は大丈夫ですが、地震が起きたり、移動時に体が当たる、荷物を運んでいる時に当たるなどでパソコンがグラついた時に転倒しやすくなります。

 

上部設置 + ファン内側

電源ユニットをケースの上部に設置し、ファンを内側(下向き)にして向ける配置は、内部の空気を吸い込む設置方法です。

こちらも同様に、そもそも電源ユニットを上部に置けるPCケースが少ないので主流な方法ではありません。

 

この配置方法では、電源ユニットのファンがケース内部の空気を吸い込み、電源ユニット内の熱を外部に排出します。

これにより、ホコリの吸い込みが少なくなるので、掃除の頻度が少なくて済みます。

とは言え、ケース内部にもホコリはあるためゼロになるわけではありません。

 

一方で、ケース内の温かい空気を吸い込むため、電源ユニットの冷却性能が低下する可能性があります。

熱は上に上がる性質がある上、ケースの背面、上面から排出するエアフローになっているので、電源ユニットが温かい空気を取り込むことになります。

 

これに伴い、冷却性能をカバーするためにはファンの回転数を上げることになるので、騒音も大きくなるリスクがあります。

総合的に、あまりメリットのない設置方法だと思います。

 

 

まとめ:「下部設置 + ファン外側」がスタンダード

電源ユニットの向きと設置場所について基本的な知識とそれぞれ2通り、計4パターンを解説しました。

 

改めて重要なポイントをまとめておきます。

この記事の重要なポイント
  • 向きは、ファンを外側に向ける場合とファンを内側に向ける場合がある。
  • 設置場所は、ケースの下部の場合と上部の場合がある。
  • 最近の主流は、ケース下部にファンを外側に向けて設置する。
  • 向きと設置場所はPCケースで決まり、好き勝手にできるわけではない。

最近の主流では、電源ユニットをケースの下部にファンを外側に向けて設置するのが一般的です。

床に置く場合は、床に近いということでホコリは溜まりやすくなってしまいますが、フィルターがあるので内部にダイレクトに入っていくことはありません。

 

デメリットではあるものの、それ以上に、ケース下部にすることで重心を低くすることで物理的に安定させる、また、ファンを外側にすることで常に外の空気で冷却することで冷却性能の維持、寿命を長くする方が重要です。


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