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【自作PC】マザーボード規格について【ATX/MicroATX/Mini-ITX】

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マザーボードの規格は、パソコンの基盤であるマザーボードの物理的なサイズや形状、拡張性、取り付け穴の位置、電源コネクタの配置などを定めた基準のことです。

 

マザーボードの規格によって、どれだけPCパーツを取り付けられるかが変わりますし、PCケースに対応する規格でなければ物理的に取り付けることができません。

そのため、どういった規格があって、最近主流な規格、規格のサイズ感、規格毎にどのくらいのパーツを取り付けることができるのかを知っておいた方がパーツ選定がスムーズになります。

 

この記事の重要なポイント
  • 規格とは、サイズや形状、拡張性などを定めた基準のこと。
  • 今では見ないものも含めると規格自体はたくさんある。
  • 主流な規格は、ATX、MicroATX、Mini-ITX、Extended ATX (E-ATX)
  • 将来増設を考える場合は拡張性も考える
  • PCケースに対応する必要があるため、大きければ良いと言うわけではない。

 

マザーボードの規格や各部品の名称、性能面・互換性の観点からの選び方も解説しています。

≫ 関連記事:自作PCのマザーボードの選び方【性能面 / 機能面 / 互換性】

 

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マザーボードの規格とは?

マザーボードの規格とは、マザーボードの物理的なサイズや拡張性、PCケースとの対応性を決める基準です。

 

マザーボード規格の最近の主流

マザーボードの物理的なサイズは、パソコンのケースに収まるかどうかが決まるので、マザーボードを選ぶ際にかなり重要となってきます。

マザーボードの規格毎にサイズが決まっていて、最近主流の規格は次の通りです。

  • Extended ATX(E-ATX)
  • ATX
  • MicroATX
  • Mini-ITX

この中で、製品数が多く最も使われているのがATXですね。

多くのPCケースにも対応しており、サイズ感や搭載できるパーツの種類・数的にも扱いやすい規格です。

 

次に多く使われているのがMicroATXで、ATXより一回りほど小さい規格です。

小さい分、搭載できるパーツの種類・数が少なくなるため拡張性は低くなりますが、コンパクトなPCケースにも入るため、小さめなパソコンを作りたいユーザーに人気です。

 

具体的なサイズや特徴については後程解説します。

 

規格によって拡張性が異なる

マザーボードの拡張性とは、追加のPCパーツを搭載して性能や機能を拡張できる能力のことを指します。

つまり、簡単に言うとどれだけパーツを搭載するためのスロットとかが付いているかということですね。

 

色々なパーツを数多く搭載できるマザーボードであれば拡張性は高く、逆に搭載できる数が少ない場合は拡張性が低くなります。

CPUスロットは基本的に1つですが、それ以外のメモリ、M.2、PCIExpressのスロット数、SATAコネクタ数などは複数あって、この搭載できる数が拡張性によって変わってきます。

 

これらのスロットやコネクタには物理的にスペースが必要なため、サイズが大きいマザーボードほど多くのスロットやコネクタがあります。

一方で、小さいマザーボードだと必要最低限の数しか搭載することができません。

 

例えば、動画編集で自作PCを組みたい場合は、メインに1TBのNVMe SSDをM.2スロットに搭載したとします。

しかし、実際に動画編集をしてみないことには、どのくらいのペースでストレージが埋まっていくか分からないので、1TBでは足りないかもしれません。

予め増設するかもしれないことも考えて、M.2スロットが2,3つある拡張性の高いマザーボードを選んでおくこともできます。

 

このように、使用用途に対して大体の性能は満たしてはいるものの、より色々な状況に対応できるようにある程度の拡張性(=余裕のあるスロット数)を持っておくことも大切です。

 

PCケースに対応する必要がある

最終的にはPCケースにマザーボード含め全てのパーツを収めることになるので、PCケースに対応するマザーボード規格を見ておく必要があります。

 

PCケースの対応マザーボード規格は、大きめのPCケースであれば、ATXやMicro-ATX、Mini-ITXといった複数の規格に対応しているのが一般的です。

一方で、小型のPCケースの場合は、Mini-ITXのみにしか対応していないこともあります。

 

マザーボード規格によって物理的なサイズがあり、搭載できるパーツ数が変わるのであれば、「大は小を兼ねる」ということで大きなマザーボードを選んでおけばいいだろう…と思われるかもしれません。

しかし、マザーボードはPCケースに収める必要があるため、その兼ね合いで決める必要があります。

 

例えば、設置場所のことも考えてコンパクトなケースを使いたい、自分好みのPCケースが小さいものになってしまうなどの理由で、それに合わせてマザーボードも小さい規格のものを選ぶ必要が出てくることもあります。

 

そのため、PCケースのサイズやデザインとマザーボードの拡張性を総合的に考えて、どのマザーボード規格にするかを決めましょう。

 

 

マザーボード規格の種類・サイズ・拡張性

マザーボード規格の種類やサイズ、拡張性について解説します。

マザーボード規格の種類・サイズ・拡張性

まずは、規格の一覧をまとめて、その後に現在主流のマザーボード規格についての特徴や拡張性について見ていきましょう。

 

マザーボード規格の種類一覧

マザーボード規格使用状況サイズ (mm / W × H)
ATX主流244 × 305
MicroATX主流244 × 244
Mini-ITX主流170 × 170
Extended ATX
(E-ATX)
主流330 × 305
FlexATXたまに見かける229 × 191
SSI EEBたまに見かける330 × 305
SSI CEBたまに見かける267 × 305
EE-ATX全く見ない330 × 305
XL-ATX全く見ない325 × 244
Mini-ATX全く見ない284 × 208
Nano-ITX全く見ない120 × 120
Thin Mini-ITX全く見ない170 × 170
BTX全く見ない267 × 325
MicroBTX全く見ない267 × 264
Mini-STX全く見ない140 × 147
Mini-DTX全く見ない170 × 200
Proprietaryその他製品による

近年の自作PCでは、ATX、MicroATX、Mini-ITX、E-ATXが主流となっていて、それ以外はほとんど使われません。

使われないというか、その規格のマザーボードが既に販売されていません。

 

いろいろなマザーボード規格が登場したものの、あまりユーザーに受け入れられなかったためなのか、需要がなく今は製造されてないものが多いですね。

そのため、自作PCをする上では、主流なものを中心に知っておけば十分で、それ以外のマザーボード規格は「へー、そんなのがあるんだー」ぐらいに思ってもらってOKです。

 

Proprietaryは、特定のメーカーが独自に設計・製造したマザーボード規格のことを言います。

これらのマザーボードは通常、特定のデバイスやシステムでのみ使用され、ATXやMicroATXなどの標準的な規格とは異なります。

そのため、一般的なPCケースと互換性はないことが多く、基本的には搭載するのはできないでしょう。

 

ATX

マザーボード 選び方 規格 ATX

ATX規格は、1996年にインテルによって策定され、標準的なデスクトップPCのマザーボードとして、現在では最も広く使用されているマザーボードの規格です。

ミドルタワー、フルタワーのPCケースであれば、ほとんど対応していますね。

 

ATX規格のマザーボードは、244 × 305mmサイズで、多くの拡張スロットやポートを備えているため、拡張性が高いのが特徴です。

  • メモリ:4スロット(まれに2スロット、サーバー向けは8, 12スロットも)
  • M.2 SSD:2~5スロット
  • SATAコネクタ:4~6個(サーバー向けは10, 12個も)
  • PCI Express x16:2~3スロット
  • PCI Express x1:1~3スロット
  • PCI Express x4:まれに1,2スロット

 

PCケースの対応数も多く、マザーボード規格のせいで選択肢の幅が狭くならないですし、増設したくなった時に不足があまり出ないという程よい拡張性があります。

そのため、初めて自作PCをする方であれば、選びやすく、組み立てやすいと思うのでおすすめですね。

 

MicroATX

マザーボード 選び方 規格 MicroATX

MicroATXは、1995年に策定され、標準的なATXマザーボードよりも小型でありながら、十分な拡張性を持つバランスの取れた規格です。

ミニタワー以上(ミドルタワー、フルタワー含む)のPCけーすであれば、対応していることが多いです。

 

MicroATX規格のマザーボードは、244 × 244mmサイズの正方形で、ATXほどの拡張性はないものの一般的なパーツ構成であれば十分対応できるのが特徴です。

  • メモリ:2~4スロット(サーバー向けは6,8スロットも)
  • M.2 SSD:1~3スロット
  • SATAコネクタ:4~6個(サーバー向けは8, 10, 12個も)
  • PCI Express x16:1~2スロット
  • PCI Express x1:1~2スロット

 

ATX同様に、PCケースの対応数も多く選択肢に入れやすい規格です。

また、ミドルタワーより、もう少しだけコンパクトなケースでパソコンを作りたい場合に最適ですね。

 

Mini-ITX

マザーボード 選び方 規格 Mini-ITX

Mini-ITXは、2001年に台湾の半導体メーカーであるVIAによって策定され、非常にコンパクトなマザーボード規格で、主に小型のデスクトップPCに使用されます。

小型PCケース向けで、拡張性をある程度犠牲にしても、場所を取らない、小さいPCが好みというユーザーに人気がありますね。

 

Mini-ITX規格のマザーボードは、170 × 170mmサイズの正方形で、MicroATXをより小さくした感じですね。

MicroATXよりも約5cmほど小さいので、それほど十分なスロットがあるわけではなく、必要最低限な印象です。

  • メモリ:2スロット(サーバー向けは4スロットも)
  • M.2 SSD:1,2スロット
  • SATAコネクタ:2,4個(サーバー向けは2~12個)
  • PCI Express x16:1スロット

 

仮に、何か増設したいとなったとしても、拡張性は低いので難しい場合が多くなると思います。

また、マザーボード上のスロット・コネクタだけではなく、小型のPCケースを使っているのであれば、SATA SSD, HDDを搭載できる台数も限られているはずなので、この辺りの増設も厳しくなりがちですね。

 

ミドルタワーなどのPCケースでもMini-ITX規格は対応していることが多いですが、PCケースに対してマザーボードが小さいです。

自作PCを組み立てる際の作業のしやすさで言うと小さい方が組み立てやすいですが、強化ガラス等で中が見えるタイプだとちょっと貧相な印象があるかもしれないので注意しましょう。

 

Extended ATX

マザーボード 選び方 規格 Extended ATX

Extended ATX(E-ATX)は、インテルが策定したATXを元に、より拡張して大きなサイズとなったマザーボード規格で、ATX規格の派生仕様の一つです。

主に、高性能PCやサーバー向けに使用されることが多く、複数のグラフィックボード、大量のメモリを必要とするシステム向けに設計されています。

PCケースは、ATX同様にミドルタワー、フルタワーケースに対応しています。

 

Extended ATX規格のマザーボードは、330 × 305mmで、ATXの244 × 305mmから幅を10cmほど延ばしたサイズとなっています。

  • メモリ:4スロット(サーバー向けは8, 12, 16, 18, 24スロットも)
  • M.2 SSD:3~7スロット
  • SATAコネクタ:4~8個(サーバー向けは10, 14個も)
  • PCI Express x16:2~5スロット
  • PCI Express x1:0~1スロット

 

製品数自体は、主要なマザーボード規格の中では一番少ないものの、全く見かけないほど少ないわけでもありません。

CPUのソケット形状的に、Core iシリーズやRyzenシリーズといったコンシューマ向けのCPUを搭載できる製品もありますが、サーバー・ワークステーション向けのXeon、Ryzen Threadripperを搭載できるソケットも多いです。

 

 

まとめ:初めての自作PCならATX、MicroATXが王道!

マザーボードの規格の種類、主流な規格、サイズ、規格別の特徴や大体のスロット数などを解説しました。

 

改めて重要なポイントをまとめておきます。

この記事の重要なポイント
  • 規格とは、サイズや形状、拡張性などを定めた基準のこと。
  • 今では見ないものも含めると規格自体はたくさんある。
  • 主流な規格は、ATX、MicroATX、Mini-ITX、Extended ATX (E-ATX)
  • 将来増設を考える場合は拡張性も考える
  • PCケースに対応する必要があるため、大きければ良いと言うわけではない。

規格自体は何種類もありますが、最近主流となっているのがATX、MicroATX、Mini-ITX、E-ATXの4つだけです。

そのため、自作PCでどのマザーボードにするか選ぶときには、基本的にこの4つの特徴や拡張性を理解して、自分に適した規格を選べばOKです。

 

PCケースが大きくてもいい場合は、マザーボードも大きめにして将来的な拡張性も持っておいた方が良いかもしれませんね。

自作PCで色々とカスタマイズできる知識と技術があれば、購入後も色々と追加したくなるものです。

 

一方で、パソコンの置き場所に制限があったり、そもそも自分の好みが小さいパソコン、好きなデザインがたまたま小さいケースであったりする場合は、小さいマザーボードにする必要があるので、拡張性を犠牲にする必要があります。

一般的なパーツ構成であれば、拡張性が低くても組み立てることができますが、将来的なアップグレードはできないことを前提に考えた方が良いでしょう。

 

結局のところ、どれが一番いいとかはないので、自分の状況に合わせてどのマザーボード規格が良いか検討していきましょう。

 

マザーボードの規格や各部品の名称、性能面・互換性の観点からの選び方も解説しています。

≫ 関連記事:自作PCのマザーボードの選び方【性能面 / 機能面 / 互換性】

 


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