メモリについて調べていると2枚1組でメモリを使うデュアルチャネル構成と言うのを見ると思います。
最近では、パフォーマンス向上のため、デュアルチャネル構成にするのが当たり前になっているので、ぜひ自分のパソコンにも取り入れたいところ。
そこで、この記事では、デュアルチャネルの特徴やデュアルチャネルで組むための条件などを解説していきます。
- デュアルチャネルはメモリを2枚1組で使う
- 最近はデュアルチャネルが当たり前
- 同じ容量でもメモリ1枚より2枚の方が良い
- 理論値ではデータ転送速度、帯域幅が2倍
- 全体のパフォーマンスは作業によってやや向上
- 同じモジュール規格・容量である必要がある。
- メモリやマザーボードがデュアルチャネルに対応している必要がある
メモリの基本知識、性能面や互換性の観点から選び方も解説しています。
≫ 関連記事:自作PCのメモリの選び方【性能面 / 機能面 / 互換性】
PCパーツと通販サイトを選ぶだけで、見積もり、互換性チェック、電源容量計算ができるツールも開発したのでぜひ活用してください。 最大5つの構成を保存できるので色々な構成を試せます。
≫ ツール:自作PCパーツの見積もり・互換性チェックツール
メモリのデュアルチャネルとは?
メモリのデュアルチャネルについて、まずは基本を押さえておきましょう。
デュアルチャネルはメモリを2枚1組で使う
デュアルチャネルとは、2枚のメモリをペアで使用することで、メモリのデータ転送速度や帯域幅(データ転送量の多さ)を向上させる技術です。
これにより、パソコン全体のパフォーマンスが向上、特に重いアプリやゲームを実行する際に効果を発揮します。
デュアルチャネルは特に珍しいものではなく、基本的にはデュアルチャネル構成になるようにメモリの枚数を調整します。
理論値ではメモリ速度が2倍になる
デュアルチャネルは、2枚のメモリが同時にデータを読み書きするため、データの転送速度を向上させることができます。
通常、メモリはシングルチャネルで動作し、1枚のメモリがデータをやり取りします。
しかし、デュアルチャネルでは、2枚のメモリが並列に動作するため、データの転送速度がシングルチャネルと比べて理論上2倍になります。
実際のパフォーマンスが理論値の2倍になるわけではない
実際のパフォーマンスや体感では、他パーツのボトルネックや使用状況が異なるため、理論値通りの2倍になるわけではありません。
- CPUがメモリの帯域幅を限界まで使用しないため。
- メモリ以外にもストレージの読み込み速度、CPUの処理速度、キャッシュサイズなど様々な要因がボトルネックとなる。
このような理由から理論上は2倍になったとしても、実際の様々な処理速度が2倍になるわけではなく、せいぜい1.1倍, 1.2倍とかです。
ベンチマークなどで実際に時間やパフォーマンスを計測することでスコアが微増していることが分かる程度で、基本的には体感では分からないことがほとんどです。
しかし、シングルチャネルよりデュアルチャネルの方がパフォーマンスは向上するので、最近では、デュアルチャネルにするのが当たり前となっています。
3Dゲームだと10%前後パフォーマンスが改善される
デュアルチャネルは、メモリ帯域幅を最大限に活用するアプリケーションでは顕著な効果が見られることがあります。
特に、グラフィックが重い3Dゲームや複数のタスクを同時に行う場合に、デュアルチャネル構成の効果が出てきます。
3Dゲームだと、パーツ構成にもよりますが、シングルチャネルに比べてFPS(フレームレート)が10%前後改善されることもあります。
これは、メモリのデータ転送速度が向上し、ゲームの読み込み時間などが短縮されることで、結果的にFPSが向上します。
16GB×1枚より8GB×2枚の方が高速
デュアルチャネルにするためには2枚1組にする必要があります。
そのため、同じメモリの容量でも、1枚のシングルチャネルよりも2枚1組のデュアルチャネルの方が、パフォーマンスが向上します。
例えば、メモリ容量が同じ16GBであったとしても、16GB×1枚よりも、8GB×2枚でデュアルチャネルにした方が良いです。
これにより、メモリのデータ転送速度が2倍になり、データの転送速度が向上します。
結果として、パソコンの動作がよりスムーズになり、アプリケーションの起動やファイルの読み書きなどが速くなります。
トリプルチャネルは3枚1組
一般的には、2枚1組のデュアルチャネルですが、3枚1組で使うトリプルチャネル、4枚1組で使うクアッドチャネルもあります。
デュアルチャネルが2枚のメモリを同時に使うのに対して、トリプルチャネルは3枚のメモリを同時に使う仕組みで、4枚も同様です。
これにより、メモリのデータ転送速度がさらに早くなりデータの転送速度が向上します。
後程詳しく解説しますが、デュアルチャネルなどの機能を使うには、対応するCPUやマザーボードが必要です。
しかし、最近のパーツでは対応していないことが多いため、基本的にはデュアルチャネル構成を目指しましょう。
メモリのデュアルチャネルの条件・ハードウェア要件
メモリをデュアルチャネル構成で使用するためには、ハードウェア要件(使用条件)があります。
メモリがデュアルチャネルに対応していること
デュアルチャネルを使用するためには、メモリ自体がデュアルチャネルをサポートしている必要があります。
最近のメモリは、ほぼ確実にサポートしていますが、一度メーカーのメモリの仕様表を確認しましょう。
このように、デュアルチャネルをサポートしていることが書かれています。
同じメモリモジュール規格・メモリ容量であること
デュアルチャネルにするためには、2枚のメモリが同じモジュール規格、同じ容量である必要があります。
例えば、DDR4メモリを使用する場合は、2枚のメモリをDDR4でなければなりません。
と言うか、基本的にマザーボードには1種類のモジュール規格にしか対応していないため、同じにするしかありません。
また、メモリ容量も一緒であることが求められます。
理想的には、同じメーカーの同じモデルのメモリを使用することが推奨されます。
これにより、動作の安定性が向上し、互換性の問題も避けることができます。
結構ややこしいことを言っているように見えますが、メモリは2枚1組、4枚1組のセットで売られているので、それを買えば問題ありません。
セットであれば、モジュール規格、容量、速度、メモリタイミングなど全部が同じなので、あまり気にすることはありませんね。
デュアルチャネルに対応するメモリスロットを使う
デュアルチャネルを利用するためには、メモリを2枚用意し、デュアルチャネルに対応したメモリスロットに差し込む必要があります。
通常、マザーボードにはデュアルチャネル用のスロットが色分けされているので、それに従ってメモリを配置しましょう。
例えば、1番目と3番目、または2番目と4番目のスロットにメモリを挿すことが一般的です。
ケンさん
また、スロットの色が全く同じ場合もありますし、結構ややこしいので、迷ったらマザーボードの取り扱い説明を確認しましょう。
デュアルチャネルに対応するマザーボード
デュアルチャネルを使用するためには、マザーボードがデュアルチャネルメモリをサポートしていることを確認する必要があります。
最近のマザーボードではほぼ確実にサポートしていますが、一度メーカーのマザーボードの仕様表を確認しましょう。
このように、デュアルチャネルメモリをサポートしていることが書かれています。
満たさなくても動作する条件
デュアルチャネルは、メモリの製品や全ての仕様を同じにしなければいけないわけではありません。
同じメモリモジュール規格とメモリ容量は必須ですが、その他は同じであることが理想ではあるものの、必ずしも同じである必要はありません。
そのため、メモリを増設する場合、以前使っていたパソコンのメモリと新しいメモリを合わせて使いたい場合には、メモリ製品が異なり、仕様も違ってくると思います。
例えば、次の仕様は異なっていても動作します。
- 異なるメーカー・ブランド
- データ転送速度
- 動作クロック
- メモリタイミング
メモリタイミングや速度が完全に一致していなくても、システムは自動的に調整して動作することが多いです。
ただし、低い方の性能に合わせて動作するため、パフォーマンスが低下する可能性があるので、できるだけ仕様を揃えることが望ましいです。
まとめ:デュアルチャネルを使う構成が基本やな!
メモリのデュアルチャネルについて解説してきましたが、メモリを2枚1組にするだけで、パフォーマンス向上が見込めるのであれば取り入れない手はありません。
最近では、デュアルチャネルが当たり前になっているので、ハードウェア要件的には全く難しくありません。
そのため、特段の理由がない限り、メモリが1枚と言うのは避けて、2枚1組で組むようにしましょう。
改めて重要なポイントをまとめておきます。
- デュアルチャネルはメモリを2枚1組で使う
- 最近はデュアルチャネルが当たり前
- 同じ容量でもメモリ1枚より2枚の方が良い
- 理論値ではデータ転送速度、帯域幅が2倍
- 全体のパフォーマンスは作業によってやや向上
- 同じモジュール規格・容量である必要がある。
- メモリやマザーボードがデュアルチャネルに対応している必要がある
メモリの基本知識、性能面や互換性の観点から選び方も解説しています。
≫ 関連記事:自作PCのメモリの選び方【性能面 / 機能面 / 互換性】
PCパーツと通販サイトを選ぶだけで、見積もり、互換性チェック、電源容量計算ができるツールも開発したのでぜひ活用してください。 最大5つの構成を保存できるので色々な構成を試せます。
≫ ツール:自作PCパーツの見積もり・互換性チェックツール