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サーマルスロットリングとは?パーツを保護する重要な役割【自作PC】

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自作PC 初心者ガイド

サーマルスロットリングは、パーツが高温になることで破損などを防ぐために自動的にパフォーマンスを制限する機能です。

パソコンが高負荷な状況で長時間使用される、かつ冷却性能が不足しているとCPUやGPUなどが高温になり、パーツの故障や寿命の短縮につながる可能性があります。

 

この記事では、サーマルスロットリングの基本から、その影響を受けるパーツやサーマルスロットリングを予防する対策などについて詳しく解説します。

 

この記事の重要なポイント
  • サーマルスロットリングとは、パーツの高温時に性能を抑える機能
  • 目的は高温によるパーツ破損、システムの不安定化、寿命短縮を防ぐ
  • 主にCPU、GPU、NVMe SSDで発生する
  • 一時的にパフォーマンスの低下やレスポンスの遅延などが発生
  • 主にエアフローを含む冷却性能を高めること対策
  • CPUグリスやホコリ掃除などのメンテナンスも冷却効果に影響
  • サーマルスロットリングの発生状況はツールなどで判断

 

 

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サーマルスロットリングについて

サーマルスロットリングの基本、役割や目的などについて解説していきます。

 

サーマルスロットリングとは?

サーマルスロットリングは、CPUなどのパーツが高温になるとパーツを保護するために、一時的にクロック周波数を下げるなどしてこれ以上発熱しないようにするための機能です。

 

クロック周波数とは、CPU・GPUが1秒間に処理できる命令の数を示す指標で、通常はギガヘルツ(GHz)で表されます。

この数値が高いほど、CPU・GPUはより多くの命令を短時間で処理できるので処理性能が高い、作業をより早く終わらせることができるということになります。

 

このクロック周波数が一時的に下がるので、その間はパフォーマンスが低下します。

そのため、サーマルスロットリングが発生しないように、性能や発熱量に見合った冷却性能にすることで、サーマルスロットリングをできるだけ発生しないようにするのが一般的です。

 

例えば、パソコンで3Dゲームや動画編集などの高負荷な作業を長時間するとCPUなどの温度が高くなります。

この高温状態が続くとパーツの故障や寿命の短縮につながる可能性があります。

システムが内部の温度をモニタリングしているので、温度に応じて自動的にパフォーマンスを下げることでパーツを保護します。

 

サーマルスロットリングの役割と目的

サーマルスロットリングの役割と目的は、主に次の通りです。

  • パーツの保護・破損の防止
    温度が上がりすぎるとCPUやGPU内部の半導体がダメージを受け、長期的な性能低下やパーツ自体が故障する場合があります。 サーマルスロットリングにより、パーツが高温による損傷を受けるリスクを軽減することができます。
  • システム全体の安定性向上
    温度が高すぎるとシステムが不安定になったり、突然シャットダウンしたりしますが、そのリスクを減らすことができます。 サーマルスロットリングにより一時的にパフォーマンスは落ちるものの、システムを安定させて引き続き作業することができます。
  • パーツの長寿命化
    温度が高い状態が続くと電子部品は劣化しやすくなり、故障の原因となります。 しかし、サーマルスロットリングによって温度が適切に管理されることで、パーツの寿命が延び、パーツやパソコン全体の信頼性が向上します。

このようにパーツの破損やシステムの安定性という面でパソコンを守るのがサーマルスロットリングの役割・目的ですね。

 

サーマルスロットリングが発生するパーツ

サーマルスロットリングが発生するパーツには、CPU、GPU、NVMe SSDがあります。

パソコンでサーマルスロットリングと言うと一般的にはCPUを指すことが多いですが、GPUやNVMe SSDにもサーマルスロットリング機能があります。

 

CPUやGPUは、高負荷な状況が長時間続く、かつ冷却性能が不足している時にサーマルスロットリングが発生しやすく、一時的にクロック周波数を下げることでパフォーマンスを制限し、それ以上発熱しないようにします。

 

また、NVMe SSDでもサーマルスロットリングが発生する可能性があります。

特に高負荷なデータ転送や連続書き込みを行うとSSD内部のコントローラーチップが高温になり、動作が一時的に制限されることがあります。

 

 

サーマルスロットリングがパフォーマンスに与える影響

サーマルスロットリングが与えるパフォーマンスの影響について解説していきます。

 

パフォーマンスの低下

サーマルスロットリングが発生するとそれ以上温度が上がらないようにするために、CPUやGPUの場合は一時的にクロック周波数を制限し、NVMe SSDの場合は一時的にデータ転送速度を制限するため、パフォーマンスが低下します。

処理速度が遅くなりますし、データの移動も時間がかかることになります。

 

CPUやGPU、NVMe SSDを最大限のパフォーマンスを引き出すには、より多くの電力を消費するわけですが、その過程で熱を発生します。

つまり、その時のパフォーマンスが高くなればなるほど消費電力が増え、発熱も増えるため、性能を制限することで発熱を抑えるというわけです。

 

フレームレートの不安定化(特に3Dゲーム)

サーマルスロットリングにより、特に高いパフォーマンスが要求される3Dゲームにおいては、FPS(フレームレート)が低下してカクつきやラグが発生しやすくなります。

3Dゲームは大量のグラフィックス処理を必要とするため、CPUやGPUに大きな負荷がかかり、高温になりやすく、サーマルスロットリングが発生しやすい状況です。

 

結果として、ゲームの動作が不安定になり、ゲーム体験が損なわれることがあります。

これを防ぐためにはゲームの設定を調整して負荷を軽減することが有効ですが、パソコン全体としてはパーツ選定の段階でしっかりと冷却性能を高めておくのが良いですね。

グラフィックボードの場合は、既にファンの数などが決まっていてカスタマイズすることができないので、基本的にはパソコン全体のエアフローをきちんとすることで対策します。

 

レスポンスの遅延

サーマルスロットリングにより、CPUやGPUの性能、NVMe SSDのデータ転送速度が低下することで、ユーザーが操作した際の反応が遅くなることがあります。

例えば、パソコンでソフトを立ち上げる時やゲームのロード時にいつもより遅くなります。

 

高負荷になりやすい用途でサーマルスロットリングが発生しやすいので、3Dゲームや動画編集、3Dレンダリング、データ分析やAI学習などの高負荷な用途だと、このレスポンスの遅延はより顕著に感じるかもしれません。

 

クロック周波数の変動による動作の不安定化

温度の上昇と下降に応じてクロック周波数が頻繁に上下する場合、動作が安定せず、負荷の高い処理やマルチタスクでの作業がスムーズに進まないことがあります。

こうした動作の不安定化が続くと、データの処理やファイルの保存に時間がかかるだけでなく、アプリケーションのクラッシュリスクが高まることもあります。

 

長時間のパフォーマンス維持が困難

長時間にわたって高負荷の作業を続ける場合、冷却が追いつかないとサーマルスロットリングが継続的に発生します。

その結果、作業の進行に遅れが出る、時間がかかるといった影響が出るため、長期的なパフォーマンス維持が難しくなります。

 

 

サーマルスロットリングが発生する要因

サーマルスロットリングの原因となる様々な要因について、詳しく見ていきましょう。

 

パーツの温度上昇

サーマルスロットリングが発生する主な要因の1つがパーツの温度上昇です。

パーツの温度上昇によるパーツのシステムの不安定さや故障を防ぐための機能がサーマルスロットリングなわけですから、温度上昇は当然要因として入ってきます。

 

特に、3Dゲームや動画編集、3Dレンダリング、データ分析やAI学習などの高負荷な状況で、かつ、長時間続くような場合に、温度上昇が続くのでサーマルスロットリングが発生しやすくなります。

 

パーツの冷却不足

発熱したパーツを適切に冷やせるだけの冷却性能を持っていない場合にもサーマルスロットリングが発生しやすいです。

特に、先述した高負荷で長時間という状況の中で冷却不足となると発生しますね。

 

冷却性能不足には、CPUの発熱に見合った冷却性能のCPUクーラーではない場合、ケースファンが足りない場合、PCケース内のエアフローが適切でない場合などがあります。

また、CPUからCPUクーラーに熱を伝えるためのグリスが劣化していたり、塗り方が不十分だったりする場合にも発生する可能性はありますね。

 

自作PCの場合は、パーツ選定の際にCPUの性能や発熱に対して十分な冷却性能のCPUクーラーかどうかを確認する必要があります。

また、3年に1回グリスを塗り直したりなどのメンテナンスも重要になってきます。

 

他にも、パーツ同士の間隔が狭くなりエアフローが悪くなりやすい小型のPCケースも注意が必要です。

空気の通り道が少ないので、事前にエアフローをしっかり意識してパーツの選定や組み立てをする必要があります。

 

室内温度の上昇

室温が高くなるとパソコンの温度も高くなるので、通常よりも高い冷却性能が必要となります。

ここで冷却性能が不足していて長時間高負荷な状況が続くとサーマルスロットリングにつながります。

 

特に、夏場は温度が高くなるので、必要に応じてクーラーを入れるようにしましょう。

 

PCケース内のホコリ

ホコリがPCケース内に溜まるとエアフローの妨げになったり、ケースファンやヒートシンクの効率が低下したりするので、十分に熱を逃がせなくなります。

その結果、CPUやGPUが高温になり、サーマルスロットリングが発生してパフォーマンスが低下します。

 

特に、長期間にわたって掃除をしていない場合や、PCを床に置いている場合は、ホコリが溜まりやすくなります。

定期的にPC内部を掃除してホコリを取り除くことで、冷却性能を維持し、サーマルスロットリングを防ぐことができます。

 

≫ 関連記事:自作PCの掃除方法と必要な道具を徹底解説【写真付き】

 

 

サーマルスロットリングを防ぐ対策

サーマルスロットリングを防ぐための対策について解説していきます。

パーツ選定や組み立ての時から対策しないといけないものもあれば、組み立てた後でも対策できるものもあるので、もうパーツを買ってしまった…という方でも参考になると思います。

 

高性能なCPUクーラーの導入

CPUについては、そのCPUの性能、発熱量に見合った冷却性能のCPUクーラーが必要です。

もし、CPUに対して冷却性能が不足しているとすぐに高温になったり、短時間の高負荷状況であれば大丈夫なものの長時間使い続けると高温になってきたりします。

 

具体的には、CPUに仕様にあるTDP(熱設計電力)とCPUクーラーの仕様にある最大TDPを確認します。

この値が、CPUクーラーの数値の方が高ければ十分な冷却性能があるということになります。

基本的には、様々なCPUでも対応できるように、または、高負荷な状況でも十分に冷却できるように、かなり余裕のある数値となっています。

 

詳しくは、CPUクーラーの選び方で画像付きで解説しているので参考にしてください。

≫ 関連記事:自作PCのCPUクーラーの選び方【性能面 / 機能面 / 互換性】

 

ケンさん

水冷式CPUクーラーはそもそも冷却性能が高いし、空冷式でもぶっちゃけ「デカめで強そうなやつ」って感じで選べば大丈夫やで!

 

ケースファンの追加

パソコン全体のエアフローを確保するためのケースファンですが、これの数が少なかったり、性能が低かったりすると冷却不足になります。

ケースファンが足りていないと各パーツ、特にCPUやGPU、NVMe SSDの熱を上手くケース外に逃がすことができなくなるため、結果的にパーツの温度が上昇しやすくなり、サーマルスロットリングにつながります。

 

基本的にPCケースにはケースファンが2,3個付属していますが、最低限これを搭載しておけば大丈夫です。

さらに冷却性能を高めたいのであれば、ケースファンを追加しましょう。

 

ファンの性能については風量が大きいかどうかを指していますが、これはファンの大きさと回転数で決まります。

ファンが大きければ低い回転数でも風量が大きくなりますし、その上で回転数が速ければさらに風量が大きくなります。

 

PCケースに対応するケースファンのサイズは120, 140mmなので、このサイズであればまず問題はありませんね。

また、回転数も極端に低いものでなければ大丈夫です。

 

個数やファンサイズ、回転数などの明確な基準はありませんが、基本的にはPCケース付属のものを向きや位置を間違えなければ、十分なエアフローを得ることができます。

 

≫ 関連記事:自作PCのPCケースファンの選び方【性能面 / 機能面 / 互換性】

 

CPUのグリスの換装

CPUグリスは、CPUとCPUクーラー間に塗ることで、CPUの熱をCPUクーラーにスムーズに伝える役割があります。

このCPUグリスは塗りたての時は柔らかく粘性があって熱伝導がスムーズに行われますが、経年劣化により徐々に硬化して熱伝導性が低下し、冷却性能が落ちてきます。

特に、高温環境下での使用が続くと硬化が早まります。

 

パソコンの使用時間や負荷状況、使用しているグリス、または、元々CPUクーラーに塗布されているグリスによっても違いますが、大体3~5年ぐらいを目安に塗り直しが必要です。

組み立て後にアイドル時や高負荷時などでCPUの温度がどのくらいかを記録しておき、それを基準にCPUの温度が上がっているかどうかを定期的にチェックすることで、グリスの塗り直し時期かどうかをある程度判別することができます。

ケンさん

まぁ正直面倒やし難しいから、1日8時間以上使うようなユーザーなら3年おきぐらいに塗り直すのがええな!

 

≫ 関連記事:CPUのグリスの役割、塗り方、メンテナンスを解説【自作PC】

 

NVMe SSDにヒートシンクを付ける

NVMe SSDにヒートシンクを付けることで冷却性能を向上させます。

 

NVMe SSDは製品にもよりますがデータ転送速度が速い分、発熱量が高いです。

特に、大容量のデータを長時間移動、コピー、連続書き込みなどをすると熱を持ちやすくなります。

 

そのため、M.2スロットにヒートシンクが付いているマザーボードも多くあるので、そういったマザーボードを選ぶようにしましょう。

もし、マザーボードのM.2スロットにヒートシンクがない場合でも、別売りでNVMe SSD用のヒートシンクを付けることもできます。

 

元々マザーボードに付いているのであれば、とりあえず付けておけば大丈夫です。

もしない場合は、一度データ転送をしている時の発熱温度をモニタリングをして、大体60℃を超えるようであればヒートシンクを付けることを検討しましょう。

 

エアフローの確認

自作PC エアフロー

ケース内の空気の流れ(エアフロー)がきちんとなっているか確認しましょう。

パソコン全体できちんと吸気・排気をしているか、それがスムーズな流れになっていて温かい空気を排出しているかが大切です。

 

たまに、ケースファンやCPUクーラーのファンの向きが逆になっていたり、ケーブルの整理が甘くエアフローの邪魔になっていたりすることがあるので注意しましょう。

ケンさん

ファンの向きは組み立て直後の動作確認でティッシュとか当てて確認するんやで!(初めて自作PCした時、3年ぐらいリアのケースファンが逆になってたことは内緒やで…)

 

≫ 関連記事:自作PCのエアフローの基本と効率的な冷却について

 

空間に余裕のある大きめなPCケースを使う

エアフローのことを考えるとパーツが詰め詰めになるような小型のケースはあまり良くありません。

デザインやコンパクト性の観点から言えば魅力的ではあるものの、冷却性能やエアフローの確保が難しい場合があります。

 

搭載できるケースファンの数が少ない、CPUクーラーの高さ制限が厳しいため冷却性能が制限される、エアフローの確保など、通常のケースよりも考えなければいけないことが多く判断も少しシビアになってきます。

そのため、初めて自作PCをするという方は、最低でもミニタワーケース以上のサイズ感のものが良いかなと思います。

 

≫ 関連記事:自作PCのPCケースの選び方【性能面 / 機能面 / 互換性】

 

パソコンの清掃

パソコンを使っているとホコリが溜まるので、半年~1年おきぐらいに清掃する必要があります。

パソコンはファンによる吸気をしているのでそこからホコリが入り込みますが、このホコリが溜まることで、エアフローの妨げになったり、ファンやヒートシンクの性能が低下したりします。

 

冷却性能が低下すると各パーツの温度が高くなりやすくなるため、サーマルスロットリングにつながります。

仮にサーマルスロットリングが起きなくとも全体的にパフォーマンスは下がるので、定期的な清掃は必要ですね。

ケンさん

掃除したら性能が上がった(元に戻った)というのをよく聞くで!

 

また、ホコリが溜まりすぎるとそのホコリが回路や接続端子部分に入り込んで、ショートしてパーツの故障、火災などにつながる可能性もあるので、そういう観点からも清掃は必要です。

 

≫ 関連記事:自作PCの掃除方法と必要な道具を徹底解説【写真付き】

 

室内温度の調整

室内温度が高いとパソコン内部の温度も高くなりがちなので、サーマルスロットリングが発生する可能性があります。

この対策としては単純で、部屋のクーラーを付けて室温を下げるようにしましょう。

 

そもそも室温30℃ぐらいになると人間の方がクーラーを必要とすると思うので、それぐらいでクーラーを入れて20℃台後半を維持すれば問題ありませんね。

 

 

サーマルスロットリングの確認方法やモニタリングツール

サーマルスロットリングが起きているかどうかの判断方法やそれを監視するツールなどを解説していきます。

サーマルスロットリングの監視ツール

     

    CPU

    サーマルスロットリング ツール HWiNFO

    CPUは、HWiNFOというハードウェアのモニタリングツールを使うことで、サーマルスロットリングが発生しているかどうかが分かります。

    HWiNFOでは、各パーツのモニタリング状況を表示してくれていて、その中のCPUの項目では使用率や温度などの他に、サーマルスロットリングの発生有無の表示してくれます。

    ツール側でサーマルスロットリングかどうかを判断してくれるので分かりやすくなっていますね。

     

    GPU

    GPUの情報もHWiNFOで確認することができますが、CPUのようにツール側でサーマルスロットリングを判断してくれるわけではありません。

    そのため、GPUのクロック周波数や温度のグラフを見て自分で判断する必要があります。

    グラフは、見たい項目をダブルクリックすると表示されます。

     

    明確な基準があるわけではありませんが、GPUの多くは温度が85~90℃を超えるとサーマルスロットリングが発動するように設計されているようです。

    高負荷なグラフィック処理をしていてクロック周波数が高く、それに伴って温度も高くなっている時に、急にクロック周波数がガクっと落ちるようなことがあれば、サーマルスロットリングが発生している可能性が高いです。

     

    NVMe SSD

    NVMe SSDもHWiNFOで温度情報を確認することはできますが、サーマルスロットリングかどうかは自分で判断する必要があります。

     

    高速なデータ処理能力を持つNVMe SSDは、熱がこもりやすく、通常70~80℃を超えるとサーマルスロットリングが発動するよう設計されることが多いようです。

    この温度を超えるとパフォーマンスが低下して、データ転送速度が制限されてしまいます。

    特に、高負荷な状態で連続的に読み書きが行われている間にデータ転送速度が突然落ちる場合、サーマルスロットリングが発生している可能性があります。

    転送速度が通常よりも急激に低下したり、書き込み速度が断続的に変動するのは、SSDが過熱を避けようとしているサインです。

     

    そのため、HWiNFOなどで温度を監視しつつ、タスクマネージャーやデータの移動・コピー時のダイアログなどでデータ転送速度が維持できているのかどうかチェックしましょう。

     

     

    まとめ:サーマルスロットリングはパーツを保護するための重要な機能

    サーマルスロットリングの基本知識と役割、これが発生する要因やパフォーマンスに与える影響、対策、監視方法などを詳しく解説しました。

     

    改めて重要なポイントをまとめておきます。

    この記事の重要なポイント
    • サーマルスロットリングとは、パーツの高温時に性能を抑える機能
    • 目的は高温によるパーツ破損、システムの不安定化、寿命短縮を防ぐ
    • 主にCPU、GPU、NVMe SSDで発生する
    • 一時的にパフォーマンスの低下やレスポンスの遅延などが発生
    • 主にエアフローを含む冷却性能を高めること対策
    • CPUグリスやホコリ掃除などのメンテナンスも冷却効果に影響
    • サーマルスロットリングの発生状況はツールなどで判断

    サーマルスロットリングは、パーツが高温になりすぎるのを防いでパーツを保護するための重要な機能です。

    もしこの機能がなければ、各パーツの温度が高くなりすぎて非常に危険な状況になってしまいます。

    こういった安全対策としての機能があることで、パソコン全体の信頼性が高くなっている(=安心して使える)というわけですね。


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