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CPUクーラーの種類について【自作PC】

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CPUクーラー

CPUクーラーは、パソコンの性能や寿命に大きな影響を与える重要なパーツです。

適切なCPUクーラーを選ばないとパソコンが過熱してパフォーマンスが低下したり、最悪の場合は故障するリスクがあるので正しい知識を持って選ぶ必要があります。

 

この記事では、CPUクーラーの種類やそれぞれの特徴について詳しく解説します。

 

この記事の重要なポイント
  • CPUクーラーはパフォーマンスと寿命に影響を与えるパーツ
  • 主に空冷式と水冷式の2種類
  • 空冷クーラーは価格が手頃で静音性も高く、一般的な用途向き
  • 水冷クーラーは冷却性能が高く、3Dゲームなどの高負荷用途向き
  • CPUクーラー選びには、CPUのTDPを上回るものを選ぶことが重要
  • 現在の主流は、サイドフロー型の空冷式と簡易水冷式が人気
  • ファンレスやサブゼロクーラーは特殊用途向けで一般的ではない

 

 

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CPUクーラーの種類について

CPUクーラーの種類について、種類の一覧や代表的なタイプを解説していきます。

 

CPUクーラーの種類一覧

CPUクーラーには大きい枠でまとめると空冷クーラーと水冷クーラーの2種類があります。

さらに、空冷式にはサイドフロー型、トップフロー型があり、水冷式には簡易水冷と本格水冷があります。

この他にも一般的な自作PCでは使われることはないですが、ファンレスやサブゼロもあります。

 

その他特徴なども含めて表にまとめてみましょう。

クーラーの種類画像冷却方式特徴用途価格帯サイズ・高さ冷却性能静音性取り付け難易度
サイドフロー型CPUクーラー 種類 サイドフロー空冷・効率的な冷却
・エアフローが良い
・普段使い
・ビジネス
・ゲーム
・高負荷作業
普通普通~大きい普通~高め静か~普通簡単
トップフロー型CPUクーラー 種類 トップフロー空冷・コンパクト
・マザーボード全体を冷却
・普段使い
・ビジネス
・小型PC
安い〜普通小さい~普通普通高負荷時に
うるさい
簡単
簡易水冷CPUクーラー 種類 簡易水冷水冷・高い冷却性能
・高い静音性
・ゲーム
・高負荷作業
普通〜高い普通~大きい高い静か~普通普通
本格水冷CPUクーラー 種類 本格水冷 2水冷・高い冷却性能
・高い静音性
・高いカスタマイズ性
・各パーツの価格が高い
・労力が大きい
・水漏れリスクあり
・ハイエンドPC高額大きい高い静か~普通難しい
ファンレスCPUクーラー 種類 ファンレス空冷・完全無音
・メンテナンス不要
・低性能 / 静音PC普通低い無音簡単
サブゼロ冷却プレート・極低温冷却・競技向け非常に高価格帯大きい非常に高い

 

主流はサイドフロー型と簡易水冷

CPUクーラー 種類 サイドフロー

サイドフロー型の空冷式CPUクーラー

CPUクーラー 種類 簡易水冷

簡易水冷式CPUクーラー

現在のCPUクーラーの主流はサイドフロー型の空冷式CPUクーラーと簡易水冷式CPUクーラーです。

それぞれの特徴については後程解説していきます。

 

具体的にユーザーがどの種類を選んでいるか見てみましょう。

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空冷式と水冷式のシェアは大体半々となっています。

水冷式の方は、簡易水冷と本格水冷がありますが、このグラフでは簡易水冷のみを集計しています。

 



空冷式CPUクーラーには、サイドフローとトップフローがありますが、大体のユーザーがサイドフロー型を選んでいます。

 

このデータにはリテールクーラーのトップフロー型は含まれていないので、実際の割合としてはトップフロー型がもう少しだけ高くなると思います。

 

水冷式のファンサイズやラジエータサイズなど他の項目も見たい方はこちらを参考にしてください。

≫ 関連記事:CPUクーラーの人気おすすめランキングや仕様別の選択率【統計データ】

 

冷却性能はCPUクーラーのTDPを確認

CPUクーラーの冷却性能を確認する際には、CPUクーラーとCPUのTDP(熱設計電力)をチェックすることが重要です。

TDPとは、CPUが最大負荷時に発生する熱量を示す指標であり、これを基に適切なクーラーを選ぶことができます。

 

例えば、CPUのTDPが95Wである場合、少なくとも95W以上のTDPを持つCPUクーラーを選ぶ必要があります。

つまり、CPUクーラーのTDPは、そのTDPまでのCPUであれば冷却できますよ。と言うことで、CPUクーラーのTDPが、CPUのTDPを下回ると冷却性能が十分でない可能性があります。

 

これにより、CPUが高負荷状態でも適切に冷却され、パフォーマンスの低下や過熱による故障を防ぐことができます。

 

ゲーミングや高負荷の作業を行う場合、TDPが高いCPUを使用することが多いため、それに対応できる高性能なクーラーが必要です。

逆に、軽い作業しかしない場合は、TDPが低いCPUとそれに見合ったクーラーで十分です。

 

また、CPUのオーバークロックやクロック周波数を一時的に上げる機能(※)がある場合は、デフォルトのTDPを超えることになります。

そのため、CPUクーラーのTDPがギリギリなものではなく、余裕のあるCPUクーラーを選びましょう。

※Intelの場合はターボ・ブースト・テクノロジー、AMDの場合はPrecision Boostと言います。

 

例えば、Intel Core i7-14700Fであれば、ベースパワー(定格のクロック周波数)のTDPは65Wですが、ターボ・ブースト・テクノロジーによりクロック周波数が一時的に上がっている場合、最大で219Wとなります。

Intelではベースパワーと最大時の記載がありますが、AMDはベースパワーのみの記載なので、CPUのTDPの大体1.5~2倍ぐらいのものが良いかなと思います。

 

CPUクーラーの種類には空冷式と水冷式がありますが、どちらを選ぶにしても、まずはTDPを確認して自分の使用環境に合ったものを選ぶことが大切です。

 

空冷式CPUクーラー

空冷式CPUクーラーの代表的なタイプについて、それぞれの特徴を解説していきます。

 

サイドフロー型

CPUクーラー 種類 サイドフロー

サイドフロー型は、ヒートシンクが横向きに配置され、冷却ファンが横から風を送り込むことで効率的に熱を逃がします。

ケースファンによって生まれるパソコン内部全体のエアフローに沿った形で冷却できるので、エアフローを崩すことなくスムーズな冷却をすることができます。

 

トップフロー型と比較してもヒートシンクやファンが大型なので冷却性能が高いのが特徴です。

Core i5, Ryzen 5以上のミドルレンジ、ハイエンドなCPUであれば、高い冷却性能のあるサイドフロー型が使われることが多いですね。

 

また、ファンも120, 140mmと大きめなものを搭載できるので、高負荷時でもファンの回転数が少なくなるので静音性も高いです。

 

トップフロー型

CPUクーラー 種類 トップフロー

トップフロー型のCPUクーラーは、冷却ファンが水平に取り付けられており、空気を上から下に流すことでCPUを冷却します。

CPUに付属している純正のCPUクーラーはトップフロー型が一般的です。

 

このタイプのクーラー空気を上から当てるので、マザーボードあたりのパーツや部品も冷やす効果があります。

特に、VRM(電圧レギュレータモジュール)やメモリスロットなど、熱がこもりやすい部分にも効果的です。

 

サイドフロー型と比べてサイズが小さく、高さも低いので、コンパクトなケースや限られたスペースに設置する場合に適しています。

しかし、最大の冷却性能はやや劣る傾向にあります。

また、ファンサイズも92mmと小さく、高負荷時にファンの回転数が高くなるためうるさくなることが多いです。

 

 

水冷式CPUクーラー

水冷式CPUクーラーの代表的なタイプについて、それぞれの特徴を解説していきます。

水冷式CPUクーラー

 

簡易水冷

CPUクーラー 種類 簡易水冷_ラジエーターサイズ 1

水冷式CPUクーラーは、冷却液を循環させることでCPUから熱を効率的に取り除く冷却システムです。

CPUに取り付ける冷却ヘッド(ウォーターブロック)、冷却するためのラジエーター(ファンの部分)、それを繋ぐポンプ、冷却液が一体化された構造をしており、冷却ヘッドとラジエーター間で冷却液を巡回させることで冷却します。

 

CPUに取り付けられた冷却ヘッドがCPUから発生する熱を吸収し、ポンプで冷却液を循環させてラジエータ側に温かい冷却液を移動させます。

冷却液がラジエータに到達すると、ラジエータ内を流れる間にファンとフィンによって広範囲に熱を拡散します。

その際に、冷却液の温度も下がるので、それをまた冷却ヘッドに送ることで循環して冷却し続けます。

 

簡易水冷式CPUクーラーは、名前の通り取り付けが比較的簡単で、初心者でも扱いやすいのが特徴です。

これにより、空冷クーラーよりも高い冷却性能を求めるユーザーにとって手軽に導入できる選択肢となります。

また、ハイエンドなCPUを搭載する際に使われることが多いですね。

 

全て一体となった構造で製品として販売されているので、冷却液の漏れるリスクやメンテナンスの手間を大幅に減らすことができます。

冷却液は工場で密封されているため、ユーザーが自分で液を補充・交換する必要がなく、冷却ヘッドをCPUに、ラジエータをPCケースに取り付けるだけでOKです。

 

簡易水冷は空冷クーラーに比べて、ファンの個数が多く1つ1つのファンの回転数を下げることができるので静音性にも優れています。

特に高負荷時においても、静かに動作するため、静音性を重視するユーザーにも適しています。

 

さらに、簡易水冷はケース内のエアフローを改善する効果もあります。

空冷クーラーはCPU周辺に熱を溜めがちですが、簡易水冷は熱をラジエーターに移動させ、ケース外に直接排気するため全体的な冷却効率が向上します。

 

風を当てて冷却する部分をラジエータと言いますが、このラジエータには複数のサイズがあります。

基本的にはラジエータにはケースファンを取り付けるので、このファンの規格に沿ったサイズとなります。

 

まず、大きく分けると120mm系と140mm系の2つに分かれます。

120mm系には次の3通りのサイズがあります。

  • 120mm(120mmファン×1)
  • 240mm(120mmファン×2)
  • 360mm(120mmファン×3)

140mm系には次の3通りのサイズがあります。

  • 140mm(140mmファン×1)
  • 280mm(140mmファン×2)
  • 420mm(140mmファン×3)

CPUクーラー 種類 簡易水冷_ラジエーターサイズ 2 120mm

120mmラジエータ

CPUクーラー 種類 簡易水冷_ラジエーターサイズ 3 240mm

240mmラジエータ

CPUクーラー 種類 簡易水冷_ラジエーターサイズ 4 360mm

360mmラジエータ

ラジエータは、冷却水を使ってCPUから熱を逃がす役割を担っており、サイズが大きいほど多くの熱を放出することができます。

また、PCケース毎に対応するラジエーターサイズが決まっているので、きちんと搭載できるかを確認しておく必要があります。

 

小型のPCケースや軽い作業を主に行う場合は、120mmや140mmといった小さめのサイズが適しています。

一方で、ゲームや動画編集などの高負荷作業を行う場合やオーバークロックを前提とする場合は、240mm以上のサイズが望ましいでしょう。

 

本格水冷

CPUクーラー 種類 本格水冷 1

CPUクーラー 種類 本格水冷 2

(引用:[amazon_item text="Corsair iCUE Hydro Xシリーズ CX-9070008-WW" asin="B09T744P88"])

本格水冷式CPUクーラーは、冷却する仕組み自体は簡易水冷式CPUクーラーと同じですが、組み立てやすさ、カスタマイズ性、コスト面、メンテナンス面で大きな違いがあります。

簡易水冷より本格水冷の方が、複雑で組み立てが難しく、各部品も高価ですし、水漏れチェックなどのメンテナンスも必要です。

 

水を通すパイプを自分の自作PCに合わせてカットしたり、水漏れに注意したりする必要があるので、組み立て工程やメンテンナンスが難しく、自作PCの難易度がグッと上がります。

CPUクーラー自体のカスタマイズ性も高く、各部品を1つ1つ選べるメリットはありますが、より知識が必要で、組み立ても複雑になるので、少なくとも自作PCを始めてする方が手を出すのはおすすめできません。

 

見た目や性能を自分好みに調整することができますが、その優れた冷却性能には費用面と労力のコストが高すぎるというデメリットもあります。

そのコストを自作PC好き、組み立て好き、ロマンとして受け取れる方でなければなかなか厳しいと思います。

 

初期費用が高額であり、ポンプ、ラジエーター、チューブ、冷却液などの専用パーツを別々に揃える必要があります。

キットを販売している場合もあるので、それを使えばある程度楽にそろえることはできます。

 

また、冷却液の交換やシステムの清掃を定期的に行う必要があり、水漏れのリスクも存在します。

特に、取り付け時や定期的な点検を怠ると、他のパーツに水がかかって故障することもあります。

 

 

その他のCPUクーラー

その他のタイプについて、それぞれの特徴を解説していきます。

全然普及していないので自作PCに取り入れることはありませんが、特殊な冷却技術なので知識として知っておくと良いでしょう。

 

ファンレスCPUクーラー

CPUクーラー 種類 ファンレス

ファンレスCPUクーラーは、ヒートシンクと呼ばれる金属製の放熱板を使用して、CPUからの熱を拡散します。

ヒートシンクは、アルミニウムや銅などの高い熱伝導性を持つ素材で作られており、熱を迅速に吸収し、広い表面積で放出します。

 

文字通りファンがないので動作音が全くないのが特徴です。

しかし、ケースファンを搭載する場合はどのみちファンの音がするので、あまりメリットとは言えないかもしれませんね。

 

また、ファンレスCPUクーラーは冷却性能が低いため、性能の低い(=発熱の低い)CPUでないと使うことができません。

主に低消費電力のCPUや、省電力モードでの使用が推奨されます。

 

ファンレスCPUクーラーを効果的に使用するためには、ケース内の自然なエアフローを確保し、熱がこもらないようにする必要があります。

 

しかし、自作PCを組む時は高性能なパソコンが多いため、冷却性能の低いファンレスCPUクーラーが使われることはまずありません。

製品数も少ないことからも、人気がない、使われることがほとんどないことが分かります。

 

サブゼロCPUクーラー

サブゼロクーラーは、通常の空冷式や水冷式CPUクーラーでは達成できない極低温冷却を実現する特殊なクーラーです。

サブゼロとは、サブ(Sub)の「以下」とゼロ(Zero)の「0℃」で氷点下を意味しています。

 

サブゼロクーラーには、ペルチェ素子を用いたタイプと液体窒素を用いたタイプがあります。

冷却方式冷却媒体温度範囲使用目的使用期間リスク
ペルチェ素子ペルチェ素子
ヒートシンク
液冷
0°C〜-30°C長時間の冷却
安定運用
長時間
(結露リスク)
液体窒素液体窒素
液体ヘリウム
-100°C〜-200°C一時的な記録更新
競技用
短期間
(数分〜数時間)

(結露、凍結)

 

ペルチェ素子のCPUクーラーは、電圧をかけることで一方の面を冷却し、もう一方の面を加熱する熱電効果を利用したCPUクーラーです。

電流を流すことで一方の面を冷却し、反対の面を加熱する特殊な半導体で、片側は極低温、もう片側は高温になるのが特徴です。

 

ペルチェ素子を用いたサブゼロクーラーも製品数自体は少なく、過去に簡易水冷式CPUクーラーと組み合わせた形のものはありましたが、それほど普及しているものではありません。

 

液体窒素を使ったCPUクーラーは、非常に低い温度を持ち、短時間でCPUを極限まで冷やすことができます。

このタイプは製品としてあるわけではなく、オーバークロックなどで処理性能を競う大会などで使わることが多く、自前で作ることがほとんどです。

 

構造としては、CPUクーラーの部分にカップのようなものを取り付けて、液体窒素を入れて冷却します。

液体窒素が減るたびに手動で注ぎ込むことで冷却していきますが、手動なのでそもそも長期間運用する設計ではありません。

競技時のみ短期間のみ冷却できればいいものですし、専門的な知識と経験が必要なので、一般的なユーザーが取り入れることができるものではありませんね。

 

 

まとめ:高い冷却性能なら大型のサイドフローか簡易水冷

この記事では、空冷式・水冷式CPUクーラーを中心に、種類とその特徴ついて詳しく説明しました。

 

改めて重要なポイントをまとめておきます。

この記事の重要なポイント
  • CPUクーラーはパフォーマンスと寿命に影響を与えるパーツ
  • 主に空冷式と水冷式の2種類
  • 空冷クーラーは価格が手頃で静音性も高く、一般的な用途向き
  • 水冷クーラーは冷却性能が高く、3Dゲームなどの高負荷用途向き
  • CPUクーラー選びには、CPUのTDPを上回るものを選ぶことが重要
  • 現在の主流は、サイドフロー型の空冷式と簡易水冷式が人気
  • ファンレスやサブゼロクーラーは特殊用途向けで一般的ではない

最近の主流では、サイドフロー型の空冷式CPUクーラー、導入のしやすい簡易水冷式CPUクーラーです。

特に、高性能なCPUで高負荷な状況が続くような使用用途では、より冷却性能や静音性の高い簡易水冷式CPUクーラーが人気ですね。

 

どちらを選ぶにしても、使用環境や目的に応じて最適なものを選ぶことが重要で、特に高負荷の作業を行う場合は、TDPを確認して適切なクーラーを選ぶことが大切です。


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