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AMD Ryzen 8000シリーズ デスクトップ向けCPUの特徴や仕様、性能まとめ

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AMD Ryzen 8000シリーズ デスクトップ向けCPUの特徴や仕様、前世代との変更点やベンチマークスコア、コストパフォーマンス、ワットパフォーマンスを比較していきます。

前世代は、同じ型番で比較できるようにRyzen 5000シリーズで比較しています。

なお、Ryzen 6000シリーズにはデスクトップ向けCPUはありません。

 

この記事の重要なポイント
  • コア数・スレッド数は据え置きだが性能は大幅向上
  • ソケットはAM5、600/800シリーズチップセットに対応
  • 一部モデルにAI処理専用のRyzen AIエンジンを搭載
  • Ryzen 5 8400FなどRyzen 5がコスパ面で優秀

 

 

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AMD Ryzen 8000シリーズ プロセッサーの特徴

AMD Ryzen 8000シリーズ プロセッサーの特徴を解説していきます。

性能面の進化から前世代との違いまで気になるポイントをわかりやすくまとめました。

 

コア数・スレッド数に変化なし

同じ型番のあるRyzen 5000シリーズと比較すると、コア・スレッド数に変化はありません。

数に変化はないもののクロック周波数は全てのモデルで0.3~0.7 GHzアップしているのでパフォーマンス自体は向上していますね。

 

また、アーキテクチャがZen 3から Zen 4に進化して、CPUの仕様には載っていない内部の処理が効率化されているため、ベンチマークスコアとしては、全体的に2,3割ほど高くなっています。

 

ソケット形状・チップセットは「AM5」「600/800シリーズ」

Ryzen 8000シリーズでは、ソケット形状は「AM5」で、チップセットは「600/800シリーズ」です。

Ryzen 7000シリーズと同じなので、BIOSの更新をすれば既存のマザーボードも使うことができます。

 

ただし、一部のエントリーモデルや古いロットのマザーボードでは、Ryzen 8000シリーズのCPUに対応していない場合があります。

そのため、Ryzen 7000シリーズからの換装を考えている場合は、Ryzen 8000シリーズが対応しているかマザーボードの「CPUサポートリスト」を確認しましょう。

 

一部モデルでRyzen AIの追加

Ryzen AIは、AMDが開発したCPUに組み込まれた専用のAI処理ユニットのことです。

 

従来のCPUやGPUコアだけではなく、専用ハードウェアとしてAI推論(例:物体検出、音声認識、自然言語処理など)や機械学習の推定・演算を担当するブロックをCPU内に統合し、高効率かつ高速なAI処理を実現するのが特徴です。

AI演算は膨大なベクトル演算を並列に実行する必要があるため、専用のハードウェアを持たせることで処理の高速化や省電力化を実現できます。

 

音声認識、画像認識、ビデオ通話時の背景除去やノイズ抑制といった、比較的軽量から中程度の演算が必要な推論処理に適しており、OSレベルやアプリケーションでのAI機能の実行を高速化します。

 

モバイル向けCPUの場合は7000番台から追加されましたが、デスクトップ向けCPUでは8000シリーズから追加されました。

 

 

AMD Ryzen 8000シリーズ プロセッサーの仕様

AMD Ryzen 8000シリーズ プロセッサーの仕様をグレード別に解説していきます。

 

AMD Ryzen 7 プロセッサー

AMD Ryzen 7 プロセッサーの仕様について、前世代との変更点は次の通りです。

  • クロック周波数が0.3~0.5 GHzアップ
  • L2キャッシュが4MBから8MBで倍増(L3キャッシュは変更なし)
  • 内蔵GPUがRadeon 780Mとなりコア数が8から12へ(クロック周波数も2.0 GHzから2.9 GHz)
  • AI Engine「Ryzen AI」の追加
※特徴で解説した共通部分は省いています。
※Ryzen 8000シリーズのRyzen 7と世代だけが異なる同じ型番は7000シリーズには存在しないため、5000シリーズとの比較をしています。
※6000シリーズにデスクトップ向けCPUはありません。

 

モデル名Ryzen 7 8700GRyzen 7 8700F
世代Ryzen 8000 シリーズ
コードネームPhoenix
対応ソケットAM5
対応チップセットA620, X670E, X670, B650E, B650, X870E, X870, B840, B850
アーキテクチャZen 4
製造プロセス4nm
コア8
スレッド16
クロック
周波数
定格4.2 GHz4.1 GHz
最大5.1 GHz5.0 GHz
OC対応
キャッシュ
メモリ
L1
L28 MB
L316 MB
ダイ数1
メモリ対応メモリDDR5
最大容量256 GB
最大メモリ速度2x1R DDR5-5200
2x2R DDR5-5200
4x1R DDR5-3600
4x2R DDR5-3600
ECC対応×
モデル名Ryzen 7 8700GRyzen 7 8700F
GPU内蔵GPUAMD Radeon 780M
コア数12
クロック周波数2.9 GHz
USB Type-C
DisplayPort
Alternate Mode
AI EngineBrand NameAMD Ryzen AI
最大 TOPS16 TOPS
PCI Expressバージョン4.0
レーン
(合計/使用可能)
20 / 16
NVMe 対応Boot , RAID0 , RAID1
デフォルト
TDP
65 W
最大動作温度95 ℃
CPUクーラー
付属有無
AMD Wraith SpireAMD Wraith Stealth
発売日2024/1/312024/4/1
モデル名Ryzen 7 8700GRyzen 7 8700F

 

AMD Ryzen 5 プロセッサー

AMD Ryzen 5 プロセッサーの仕様について、前世代との変更点は次の通りです。

  • クロック周波数が0.6~0.7 GHzアップ
  • L2キャッシュが3MBから6MBで倍増(L3キャッシュは変更なし)
  • 内蔵GPUがRadeon 760Mとなりコア数が7から8へ(クロック周波数も1.9 GHzから2.8 GHz)
  • AI Engine「Ryzen AI」の追加
※特徴で解説した共通部分は省いています。
※Ryzen 8000シリーズのRyzen 5と世代だけが異なる同じ型番は7000シリーズには存在しないため、5000シリーズとの比較をしています。
※6000シリーズにデスクトップ向けCPUはありません。

 

モデル名Ryzen 5 8600GRyzen 5 8500GERyzen 5 8500GRyzen 5 8400F
世代Ryzen 8000 シリーズ
コードネームPhoenix
対応ソケットAM5
対応チップセットA620, X670E, X670, B650E, B650, X870E, X870, B840, B850
アーキテクチャZen 4Zen 4 x2
Zen 4c x4
Zen 4 x2
Zen 4c x4
Zen 4
製造プロセス4nm
コア6
スレッド12
クロック
周波数
定格4.3 GHz3.7 GHz3.5 GHz4.2 GHz
最大5.0 GHz4.7 GHz
OC対応×
キャッシュ
メモリ
L1
L26 MB
L316 MB
ダイ数1
メモリ対応メモリDDR5
最大容量256 GB
最大メモリ速度2x1R DDR5-5200
2x2R DDR5-5200
4x1R DDR5-3600
4x2R DDR5-3600
ECC対応×
モデル名Ryzen 5 8600GRyzen 5 8500GERyzen 5 8500GRyzen 5 8400F
GPU内蔵GPUAMD Radeon 760MAMD Radeon 740M
コア数84
クロック周波数2.8 GHz
USB Type-C
DisplayPort
Alternate Mode
AI EngineBrand NameAMD Ryzen AI
最大 TOPS16 TOPS
PCI Expressバージョン4.0
レーン
(合計/使用可能)
20 / 1614 / 1020 / 16
NVMe 対応Boot , RAID0 , RAID1
デフォルト
TDP
65 W35 W65 W
最大動作温度95 ℃
CPUクーラー
付属有無
AMD Wraith StealthAMD Wraith Stealth
発売日2024/1/312024/4/162024/1/312024/4/1
モデル名Ryzen 5 8600GRyzen 5 8500GERyzen 5 8500GRyzen 5 8400F

 

AMD Ryzen 3 プロセッサー

AMD Ryzen 3 プロセッサーの仕様について、前世代との変更点は次の通りです。

  • クロック周波数が0.6~0.7 GHzアップ
  • L2キャッシュが2MBから4MBで倍増(L3キャッシュは変更なし)
  • 内蔵GPUがRadeon 740Mとなりコア数が6から4へ(クロック周波数も1.7 GHzから2.6 GHz)
※特徴で解説した共通部分は省いています。
※Ryzen 8000シリーズのRyzen 3と世代だけが異なる同じ型番は7000シリーズには存在しないため、5000シリーズとの比較をしています。
※6000シリーズにデスクトップ向けCPUはありません。

 

モデル名Ryzen 3 8300GERyzen 3 8300G
世代Ryzen 8000 シリーズ
コードネームPhoenix
対応ソケットAM5
対応チップセットA620, X670E, X670, B650E, B650, X870E, X870, B840, B850
アーキテクチャZen 4 x1, Zen 4c x3
製造プロセス4nm
コア4
スレッド8
クロック
周波数
定格3.6 GHz3.4 GHz
最大4.9 GHz
OC対応
キャッシュ
メモリ
L1
L24 MB
L38 MB
ダイ数1
メモリ対応メモリDDR5
最大容量256 GB
最大メモリ速度2x1R DDR5-5200
2x2R DDR5-5200
4x1R DDR5-3600
4x2R DDR5-3600
ECC対応×
モデル名Ryzen 3 8300GERyzen 3 8300G
GPU内蔵GPUAMD Radeon 740M
コア数4
クロック周波数2.6 GHz
USB Type-C
DisplayPort
Alternate Mode
AI EngineBrand Name
最大 TOPS
PCI Expressバージョン4.0
レーン
(合計/使用可能)
14 / 10
NVMe 対応Boot , RAID0 , RAID1
デフォルト
TDP
35 W65 W
最大動作温度95 ℃
CPUクーラー
付属有無
AMD Wraith Stealth
発売日2024/4/162024/1/31
モデル名Ryzen 3 8300GERyzen 3 8300G

 

 

AMD Ryzen 8000シリーズ プロセッサーのベンチマーク比較

AMD Ryzen 8000シリーズ プロセッサーの各種データを比較していきます。

AMD Ryzen 8000シリーズ プロセッサーのベンチマーク比較

 

ベンチマークスコア

モデル名ベンチマークスコア
AMD Ryzen 7 8700G
31,583
AMD Ryzen 7 8700F
31,537
AMD Ryzen 5 8600G
25,338
AMD Ryzen 5 8400F
24,409
AMD Ryzen 5 8500G
21,644
AMD Ryzen 5 8500GE
20,792
AMD Ryzen 3 8300GE
13,846
AMD Ryzen 3 8300G
14,374
ベンチマークスコアはPassMarkを参照しています。

ベンチマークスコアの降順で並べていますが、Ryzen 7, 5, 3とグレードの順番通りにまとまっています。

グラフを見て分かる通り、Ryzen 5は多少バラつきはあるものの、グレード間ではっきりと分かれています。

 

コストパフォーマンス

コストパフォーマンスは、100円あたりのスコアを算出し、コスパの降順で並べています。

モデル名スコア価格コストパフォーマンス
AMD Ryzen 5 8400F24,40926,780 円
91
AMD Ryzen 5 8500G21,64427,599 円
78
AMD Ryzen 5 8600G25,33833,980 円
75
AMD Ryzen 7 8700F31,53745,722 円
69
AMD Ryzen 7 8700G31,58347,490 円
67
AMD Ryzen 5 8500GE20,792– 円
0
AMD Ryzen 3 8300GE13,846– 円
0
AMD Ryzen 3 8300G14,374– 円
0
価格は2025/04/09時点のものです。
最新の価格は自作PCツールを参照してください。

価格が分からなかったものもありますが、基本的に中間のグレードであるRyzen 5がコストパフォーマンスが高い結果となりました。

比較的お手頃でそこそこパフォーマンスもあるので、バランスの取れた選択肢と言えますね。

 

ワットパフォーマンス

ワットパフォーマンスは、デフォルトTDPあたりのスコアを算出し、ワットパフォーマンスの降順で並べています。

省電力な自作PCを組みたいという方は参考になるかなと思います。

ただし、デフォルトTDPから算出したもので、Precision Boostによって一時的にクロック周波数が上がっている時の最大TDPではなことに注意です。

モデル名スコア価格デフォルトTDPワットパフォーマンス
AMD Ryzen 5 8500GE20,792– 円35 W
594
AMD Ryzen 7 8700G31,58347,490 円65 W
486
AMD Ryzen 7 8700F31,53745,722 円65 W
485
AMD Ryzen 3 8300GE13,846– 円35 W
396
AMD Ryzen 5 8600G25,33833,980 円65 W
390
AMD Ryzen 5 8400F24,40926,780 円65 W
376
AMD Ryzen 5 8500G21,64427,599 円65 W
333
AMD Ryzen 3 8300G14,374– 円65 W
221
価格は2025/04/09時点のものです。
最新の価格は自作PCツールを参照してください。

最もワットパフォーマンスが高いのは、TDP 35Wである「Ryzen 5 8500GE」です。

「GE」は省電力(低TDP)モデルを示すもので、標準のGモデル(TDP 65W)よりもクロックがやや抑えめになる一方、消費電力が低いためワットあたりの性能が高く出る傾向があります。

ベンチマークスコア自体はRyzen 7クラスほどではないかもしれませんが、省電力性を重視しつつ高い効率を得たい場合に魅力的です。

ただ、「GE」モデルの販売がもうなかったので、今手を出すのであれば、「8700G」「8700F」あたりになるかなと思います。

 

 

まとめ:Ryzen AIの搭載!AI時代を見据えたAI処理専用ユニット

AMD Ryzen 8000シリーズ プロセッサーの特徴や仕様、ベンチマーク結果について詳しく解説しました。

 

改めて重要なポイントをまとめておきます。

この記事の重要なポイント
  • コア数・スレッド数は据え置きだが性能は大幅向上
  • ソケットはAM5、600/800シリーズチップセットに対応
  • 一部モデルにAI処理専用のRyzen AIエンジンを搭載
  • Ryzen 5 8400FなどRyzen 5がコスパ面で優秀

 

Ryzen 8000シリーズの一部モデルには、AI処理専用の「Ryzen AIエンジン」が搭載されたのが大きいですね。

今までのRyzenシリーズにはなかった新しい仕組みで、音声認識や画像処理、背景ぼかし、ノイズ除去などに活用され、日常のアプリケーションでもAI機能の動作がより快適になります。

CPU自体にAI処理をするための専用ユニットが搭載されるということで、今後AIを活用したアプリに対応するという姿勢が見えますね。

 


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